来年度の健康保険料率引き上げに向けた協会けんぽの周知方法
年が明け、そろそろ4月以降の社会保険料率がどうなるか注視していく時期となりました。平成24年度は過去のブログ記事「平成24年度から多くの業種で引き下げが見込まれる労災保険料率」や「来年度から10%超に引き上げられる予定の協会けんぽの保険料率とその要因」などで取り上げた通り、社会保険料率の変更が検討されています。
そのような中、昨年末、協会けんぽで「第37回全国健康保険協会運営委員会」が開催され、平成24年度の保険料率について更なる検討が行われました。公開された資料の中にある「平成24年度保険料率広報の方針について」では、健康保険料率の引き上げに対し、以下のような広報の方針が記載されています。
[平成24年度保険料率広報の方針について]
協会として共通して伝えるべき統一したメッセージ部分を増やし、加入者・事業主の理解を深め、さらに医療保険制度全体の枠組みについて政府や国民全体の議論に発展するように意見発信をしていく。
24年度の保険料率についての理解促進
①保険料率が上がってしまう理由
・国庫補助率の据え置き
・賃金の低迷
・医療費の伸び
・高齢者医療への拠出金の大幅な増大など
②保険料の適切な利用に係る加入者へのお知らせ
・医療費適正化の取組み状況
・経費削減の取組み状況など
25年度以降の医療保険制度全体の枠組み、在り方への意見発信
・国庫補助率の引上げ
・高齢者医療制度の見直し
また、画像のチャート図のような周知方法が検討されており、2月中旬以降は例年以上に積極的な告知が行われることが予想されます。10%超への引き上げとなり、被保険者に引き上げについてできる限りの理解を求めていこうとする姿勢が見られます。健康保険料は労使折半での負担となり、料率の引き上げは企業にとっても大きなものですが、当然ながら被保険者である従業員にとっても大きな影響があるため、協会けんぽからの情報をもとに、早め早めに従業員に向けた告知を行っていきたいものです。
関連blog記事
2011年12月16日「労政審報告案で示された雇用保険制度見直しの方向性」
https://roumu.com
/archives/51897098.html
2011年12月7日「平成24年度から多くの業種で引き下げが見込まれる労災保険料率」
https://roumu.com
/archives/51894639.html
2011年12月6日「来年度から10%超に引き上げられる予定の協会けんぽの保険料率とその要因」
https://roumu.com
/archives/51894315.html
参考リンク
協会けんぽ「第37回全国健康保険協会運営委員会が開催されました」
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.90165.html
(宮武貴美)
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