中小企業での導入が遅れる内部通報窓口の設置

中小企業での導入が遅れる内部通報窓口の設置 平成18年に公益通報者保護法が施行され、約7年が経過しました。この公益通報者保護法では、事業者の法令遵守を促進することにより、国民生活の安心・安全の確保に資するため、公益通報を行った労働者の保護及び公益通報に関し事業者が採るべき措置等を定めたものとなっています。企業としては、労働者等から通報を受け付け、処理をする仕組みを整備することが求められますが、このような整備状況等も含めた「公益通報者保護制度に関する実態調査」が先日、消費者庁から発表されました。

 調査結果を見ると、法の認知度については、従業員3,000人超規模の大企業では93.9%が公益通報者保護法を知っていると回答しているのに対し、従業員101人から300人規模の中小企業では、知っていると回答した率が61.1%に留まる結果となりました。これに併せるように、内部通報制度の導入割合も大企業が96.8%と高い結果となっていることに比較し、中小企業では40.0%と半分にも達しない結果となっています。これらの結果は、まだまだ法律が広く浸透されておらず、その目的の理解も進んでいないと言えるのかも知れません。

 近年では、企業活動全体におけるコンプライアンス意識が高まっており、窓口を設置し、労働者等から必要な通報を受けることは企業経営を守る上でも重要なこととなっています。今一度、内部通報制度の意義を見直し、必要な整備を進めましょう。


関連blog記事
2008年1月15日「内部告発の急増で求められる従業員の相談窓口の設置」
https://roumu.com
/archives/51219943.html

2005年7月24日「公益通報者保護法施行と内部告発制度の運用」
https://roumu.com
/archives/28059302.html

参考リンク
消費者庁「公益通報者保護制度に関する実態調査」
http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/chosa-kenkyu/chosa.html#m01

(宮武貴美)

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