内部告発の急増で求められる従業員の相談窓口の設置

 今回は独立行政法人労働政策研究・研修機構から発表された「職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査」の第2回目とし企業の相談窓口の整備状況について取り上げましょう。


 従業員の苦情・不満を受け付ける「相談窓口」を設置している企業は49.4%と半数近くになっています。その設置理としては以下のような項目があがっており、早期発見・早期解決、予防という視点を企業が持っていることが分かります。
 □問題の円滑で実態に即した解決のため 48.6%
 □問題の発生を未然に防ぐため 41.8%
 □職場内モラールの維持、向上のため 39.5%
 □従業員との良好な関係を維持するため 28.7%


 規模別にみると、従業員1,000人以上の企業の73.9%が「相談窓口」を持つのに対し、100人未満では29.9%と、企業規模による対応にはかなりの差が見られます。平成18年4月に公益通報者保護法が施行され、公益のために通報を行った労働者に対する解雇等の不利益な取扱が禁止されました。また、平成19年4月に改正された男女雇用機会均等法では、相談窓口をあらかじめ定める措置を義務付けています。近年の様々な企業の不祥事の判明は内部告発によるとも言われており、今後は中小企業においても、この相談窓口の設置が求められていくことでしょう。



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参考リンク
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「職場におけるコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決に関する調査」
http://www.jil.go.jp/press/documents/20071225.pdf


(宮武貴美)


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