2015年度の賃金改善 48.3%の企業がありと回答

2015年度の賃金改善 48.3%の企業がありと回答 先日よりスタートした春闘の中では今年もベースアップが最大のテーマとなっています。今春については他社の動向を様子見し、ベアを見送った企業も少なくありませんでしたが、今年はどうすればよいだろうかと考えている経営者の方も多いのではないかと思います。そこで本日は帝国データバンクの「2015年度の賃金動向に関する企業の意識調査」の中から、2015年4月の賃金改善の動向について取り上げたいと思います。なお、この調査は、2015年1月19日~31日に、全国23,402社を対象に実施されたもので、有効回答企業数は10,794社(回答率46.1%)となっています。

 そのポイントは以下のとおりとなりました。
2015年度の賃金改善を「ある」と見込む企業は48.3%。前年度見込みを1.9ポイント上回り、2006年1月の調査開始以降で最高の見通し。また、2014年度に賃金改善を実施した企業は6割を超えている。
※賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって賃金が改善(上昇)することで、定期昇給は含まない。
賃金改善の具体的内容は、ベア36.7%(前年度比2.7ポイント増)、賞与(一時金)27.4%(同0.4ポイント減)。賃金改善をベアで実施する企業が広がっている。
賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が大幅に増加し、7割に迫っている。人手不足が続くなかで「同業他社の賃金動向」を挙げる企業が過去最高となり、他社の動向をより意識する傾向が強まっている。改善しない理由は、「自社の業績低迷」が最多となる一方、消費税率引き上げの影響は薄れてきている。
2015年度の総人件費は平均2.50%増加する見込み。従業員の給与や賞与は総額で約3.2兆円増加と試算される。

 以上のように48.3%の企業がベアもしくは賞与での賃金改善を計画しており、またベアに限っても昨年よりも2.7ポイント増の36.7%で実施見込みとなっています。中小企業の多くは業績回復が遅れる中、人手不足が先行しており、厳しい対応が求められています。


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参考リンク
帝国データバンク「2015年度の賃金動向に関する企業の意識調査」
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p150203.html

(大津章敬)

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