2016年4月1日から改正法が適用される傷病手当金・出産手当金の日額計算方法

計算機 2015年8月6日のブログ記事「来年度より変更となる傷病手当金と出産手当金の日額計算方法」で取り上げたとおり、来年度より傷病手当金と出産手当金の日額の計算方法が原則として過去1年間の平均で計算するように変更になります。これにより、過去1年間の標準報酬月額に変動がある人については、休業を行なうときの標準報酬月額の計算が、実際に受けることのできる日額の計算と異なることになり、受給額の説明は慎重に行なう必要が出てきます。

 この改正法施行に伴い、疑問に感じることの一つとして、平成28年4月1日現在で既に手当金が支給されている人の日額の取扱いがあります。これに関しては、厚生労働省が発行した事務連絡「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律による健康保険法及び船員保険法改正内容の一部に関するQ&A」が出されており、手当金は日単位で支給するものであるため、平成28年3月31日以前は改正前の計算方法、4月1日以降は改正後の計算方法により額を決定することとなっています。

 なお、この場合に、過去1年分の平均を計算する基礎となる「支給を始めた日」というのは、4月1日ではなく、実際に傷病手当金の支給を始めた日を指すとされています。

 手当金を受給している人にとっては、いくら受給できるかというのは生活に直結すること大きな関心事項です。日額の計算方法が適用されることを事前に案内しておきましょう。


関連blog記事
2015年8月6日「来年度より変更となる傷病手当金と出産手当金の日額計算方法」
https://roumu.com
/archives/52080414.html

2015年2月12日「不正受給対策で見直しが検討される傷病手当金と出産手当金」
https://roumu.com
/archives/52064783.html

参考リンク
厚生労働省「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087166.html

(宮武貴美)

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