急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 前年度から7.0%増加して66,566件

急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 当ブログでは毎年紹介している厚生労働省の「個別労働紛争解決制度施行状況」ですが、先日、平成27年度の最新データが公表されました。個別労働紛争解決制度は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

 平成27年度は前年度に比べて、総合労働相談件数は微増したものの、助言・指導、あっせんについては件数が減少しています。
総合労働相談件数 1,034,936件(前年度比0.2%増)
 うち民事上の個別労働紛争相談件数 245,125件(同2.6%増)
助言・指導申出件数 8,925件(同5.8%減) 
あっせん申請件数  4,775件(同4.7%減)

 このうち、主要な民事上の個別労働紛争に係る相談件数の推移を見ると、以下のとおりとなっており、平成27年度についても「いじめ・嫌がらせ」が4年連続でトップとなっています。
いじめ・嫌がらせ 66,566件(前年度比7.0%増)
解雇
 37,787件(同3.0%減)
自己都合退職 37,648件(同8.7%増)
労働条件の引き下げ 25,041件(同5.8%減)

 この推移をまとめたグラフを見るとよく分かりますが、いじめ・嫌がらせは右肩上がりとなっており、また解雇が減少していく一方で、自己都合に関する相談件数が年々増加し、逆転するくらいの勢いとなっています。

 いじめ・嫌がらせを含めたハラスメント対策はもちろん、解雇を含め退職の場面においてトラブルとならないように、事前にできることはないか、普段の労務管理において現場の管理職が注意すべきことがないかなど、対策を打っておきたいものです。


関連blog記事
2014年6月2日「急増するいじめ・嫌がらせの相談件数 昨年度は前年比14.6%増」
https://roumu.com
/archives/52038025.html

2013年6月4日「総合労働相談件数の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が「解雇」を超え、最多に」
https://roumu.com
/archives/51994912.html

参考リンク
厚生労働省「平成27年度個別労働紛争解決制度施行状況」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000126365.html

(福間みゆき)

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