厚生労働省調査の平成28年賃金引上げ 平均は5,176円(1.9%)

賃上げ推移 昇給に関しては、政府が賃上げの旗振り役を務めるいわゆる4年目の官製春闘の行方が気になるところですが、先日、厚生労働省より「平成28年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果が発表されました。この調査は全国の民間企業における賃金の改定額、改定率、改定方法などを明らかにすることを目的に毎年8月に行われており、今回は常用労働者100人以上を雇用する企業1709社について集計しています。今回はこのうち1人平均賃金の改定額と改定率について確認していきましょう。

 平成28年中の1人平均賃金の改定額は5,176円(1.9%)となりました。これを昨年の平成27年と比較してみると規模計では同じ1.9%の改定率となっているもののその中身は大分異なっていることが分かります。

 平成27年は5,000人以上の1人平均賃金の改定率が2.2%で100~299人が1.6%となっており、企業規模によって0.6%もの差がついていました。しかし平成28年の結果をみてみると5000人以上が1.9%で100~299人が1.8%とその差は0.1%となっており、改定額については依然として差があるものの改定率については企業規模毎の差が大分縮小していることが分かります。これは人材不足により全体としての昇給水準が上昇する一方で、大企業のベアが縮小した結果ではないかと予想されます。
平成28年1人平均賃金の改定額(改定率)
 規模計     5,176円(1.9%)
 5,000人以上   5,683円(1.9%)
 1,000~4,999人 5,434円(1.8%)
 300~999人   5,319円(2.0%)
 100~299人   4,482円(1.8%)
平成28年1人平均賃金の改定額(改定率)
 規模計     5,282円(1.9%)
 5,000人以上   7,248円(2.2%)
 1,000~4,999人 5,999円(2.0%)
 300~999人   4,633円(1.8%)
 100~299人   3,947円(1.6%)


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参考リンク
厚生労働省「平成28年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/16/index.html

(中島敏雄)

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