新卒社員の離職理由のトップは男女共に「労働時間(残業を含む)が長い」に

労働時間 働き方改革が進展する中で、働く側の意識も急速に変化しています。中でも若年労働者の長時間労働を避ける動きは年々強まっており、それが離職の大きな理由になってきています。そこで本日は、労働政策研究・研修機構(JILPT)の「第4回 若者のワークスタイル調査」の結果を紹介したいと思います。

 この調査は、東京都の25歳~34歳の男女8,000名を対象に実施されたものですが、その中に新卒で正社員として就職した者の離職理由の調査項目があります。男女別では以下のような結果となっています。
【男性】
1位 労働時間(残業を含む)が長い
2位 他にやりたいことがあった
3位 給与に不満
4位 仕事が自分に合わない、つまらない
5位 人間関係がよくない
【女性】
1位 労働時間(残業を含む)が長い
2位 健康上、家庭の事情・結婚・出産
3位 人間関係がよくない
4位 他にやりたいことがあった
5位 会社に将来性がない
6位 仕事が自分に合わない、つまらない

 このように男女とも、「労働時間(残業を含む)が長い」が1位となっています。2001年の調査では、男性の1位は「仕事が自分に合わない、つまらない」、女性の1位は「健康上、家庭の事情・結婚・出産」となっていましたが、これらはそれぞれ4位と2位に後退しています。また一般的に最大の退職理由と言われる人間関係は男性では4位、女性では3位に止まっており、それよりも長時間労働が大きな離職理由になっていることに驚かされます。

 こうした傾向は他の調査を見ても明らかであることから、若手社員の定着のためには生産性の高い仕事の実現と、その結果としての労働時間の短縮が不可欠であると言うことができるでしょう。労働時間管理はいまやコンプライアンス上の問題に止まらず、安定的な人材の確保という事業運営上の大きな課題となっていることを理解しなければなりません。


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参考リンク
労働政策研究・研修機構(JILPT)「第4回 若者のワークスタイル調査」
http://www.jil.go.jp/press/documents/20171020.pdf

(大津章敬)

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