年次有給休暇管理簿の作成について教えてください。

 いよいよ来週は4月。働き方改革関連法が施行されます。福島はその最終準備を進めていた。
これまでの関連ブログ記事はこちら
2019年2月25日「年休取得義務化で就業規則の変更は必要なのでしょうか?」
https://roumu.com/archives/65807783.html
2019年1月14日「年休取得義務化 前年からの繰越日数についてはどのように取り扱えばよいのでしょうか?」
https://roumu.com/archives/65805920.html
2019年1月7日「年休取得義務化の日数に特別休暇や時間年休は入らないのですか?」
https://roumu.com/archives/65805867.html
2018年11月26日「本人が年休を5日以上取得していても、会社は別途5日の年休の取得日を指定する必要があるのですか?」
https://roumu.com/archives/65804503.html
2018年9月17日「年休取得義務化に対応し、どのように年休を取得させればよいですか?」
https://roumu.com/archives/65801310.html
2018年9月10日「年次有給休暇の斉一的取り扱いとはどのようなものですか?」
https://roumu.com/archives/65800704.html
2018年9月3日「2019年4月より年5日の年次有給休暇取得が義務付けられます」
https://roumu.com/archives/65800703.html


大熊社労士:
 おはようございます。
福島照美福島さん:
 大熊先生、おはようございます!あ~、もうどうしよう。来週には4月になってしまうのに、年次有給休暇管理簿の準備がまだできていないんですよ。あれって、結構煩雑ですよね?
大熊社労士:
 そうですね。今春の法改正の対応の中でも、年次有給休暇管理簿の作成は実務的にはなかなか大変なものの一つに数えられるのではないかと思います。
福島さん:
 やっぱり改正法の施行日である2019年4月1日から作成する必要があるのですよね?
大熊社労士:
 はい、先日出たQ&Aでは「年次有給休暇管理簿については、法定の年次有給休暇が付与されるすべての労働者について、2019年4月1日以後の最初の基準日から作成し
ていただく必要があります」とあります。例えば、全社員の年休を10月1日に一斉付与しているようなケースであれば、10月までに対応すればよいですが、御社の場合は法律の原則通り、入社半年後に付与ですから、4月1日以降、最初に付与される日から作成する必要があります。
福島さん:
 ちょうど4月1日に年休が付与される社員がおりますので、その社員については4月1日より管理簿を作成する必要がありますね。
大熊社労士大熊社労士:
 はい、そうなります。頑張ってください!ちなみに、基準日よりも前に、10労働日の年次有給休暇のうち一部を前倒しで付与している場合(分割付与の場合)については、年次有給休暇の付与日数や取得状況を適切に管理する観点から、最初に分割付与された日から年次有給休暇管理簿を作成する必要があるともされています。まあ、御社ではそのような取り扱いは行っていらっしゃいませんので関係ありませんが。
していただく必要があります。
福島さん:
 具体的な記載内容の話なのですが、当社の場合、年休の付与は入社から半年後と決まっています。今回の年次有給休暇管理簿は、労働者名簿又は賃金台帳とあわせて調整することができるとされていますが、労働者名簿に「入社日」がありますので、基準日については就業規則を見ればその6か月後ということが分かります。改めて管理簿に基準日を書かなくてもよいということにはなりませんか?
大熊社労士:
 それは認められていません。そのような方法では、労働者名簿だけでは労働者ごとの基準日を直ちに確認することができないため、年次有給休暇管理簿を作成したものとは認められないとされています。ただ今回のQ&Aでは、事務の省力化になりそうな内容も含まれています。勤怠管理システム等において、年次有給休暇の基準日、日数および時季が管理されているものの、同じ帳票で出力することができないということがよくあります。しかし、そのような場合でも、基準日、日数および時季が記載されたそれぞれの帳票を必要な都度出力できるのであれば、年次有給休暇管理簿を作成したものとして認められるとされました。
福島さん:
 そうなんですか!それはありがたいです。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]

大熊社労士のワンポイントアドバイス こんにちは 大熊です。今回は年次有給休暇管理簿の作成について取り上げました。話題の年休取得義務化については、どのように5日を取得させるかという取得方法の議論が先行していますが、今回のような管理簿や就業規則の規定など、管理面についてもしっかり対応することが重要です。


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参考リンク
厚生労働省「改正労働基準法に関するQ&A(平成31年3月」
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf?fbclid=IwAR2AOID7uEhMgp9__w9iipi21GP-FDE_y_630lfRSIWLH5qT81VdKDZEsTM

(大津章敬)

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