70歳以上まで働ける制度のある会社は約3割に到達
厚生労働省は先日、高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」の実施状況などを集計した、令和元年「高年齢者の雇用状況」を取りまとめ公表しました。
この集計結果は、2019年6月1日時点の雇用状況を報告した従業員31人以上の企業161,378社の状況がまとめられたものであり、主なポイントとしては、以下があります。
■集計結果の主なポイント
1.65歳までの高年齢者雇用確保措置のある企業の状況
(1)高年齢者雇用確保措置の実施状況
65歳までの雇用確保措置のある企業は計161,117社、99.8%
(2)65歳定年企業の状況
65歳定年企業は27,713社[2,496社増加]、17.2%[1.1ポイント増加]
・中小企業では25,938社[2,253社増加]、17.9%[1.1ポイント増加]
・大企業では1,775社[243社増加]、10.6%[1.2ポイント増加]
2.66歳以上働ける企業の状況
(1)66歳以上働ける制度のある企業の状況
66歳以上働ける制度のある企業は49,638社[6,379社増加]、30.8%[3.2ポイント増加]
・中小企業では45,392社[5,693社増加]、31.4%[3.2ポイント増加]
・大企業では4,246社[686社増加]、25.3%[3.5ポイント増加]
(2)70歳以上働ける制度のある企業の状況
70歳以上働ける制度のある企業は46,658社[6,143社増加]、割合は28.9%[3.1ポイント増加]
・中小企業では42,745社[5,513社増加]、29.6%[3.1ポイント増加]
・大企業では3,913社[630社増加]、23.3%[3.2ポイント増加]
(3)定年制廃止企業の状況
定年制の廃止企業は4,297社[184社増加]、割合は2.7%[0.1ポイント増加]
・中小企業では4,209社[177社増加]、2.9%[変動なし]
・大企業では88社[7社増加]、0.5%[変動なし]
※[ ]内は対前年比
※31~300人規模を中小企業、301人以上規模を大企業と区分
働くことができる年齢の伸びがあることは集計から明白であり、また、70歳以上働ける企業も約3割と多くなりました。現在、70歳までの就業機会確保義務の検討をしているところであり、この結果も議論への弾みがつくものとなりそうです。
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2019年11月18日「概要が見えてきた70歳までの就業機会確保義務の検討状況」
https://roumu.com/archives/99611.html
2019年6月6日「未来投資会議が案を示した70歳までの就業機会確保努力義務化の方向性
https://roumu.com/archives/52172081.html
2019年5月16日「【超重要】未来投資会議 70歳までの継続雇用制度の概要案を公表」
https://roumu.com/archives/52171007.html
参考リンク
厚生労働省「令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200_00003.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/