ミス・クレームの隠蔽体質から脱却するための組織内コミュニケーション
これまでコミュニケーションが組織に与える影響、コミュニケーションツールであるメールがもたらす影響等についてお話してきました。今回は、組織内のコミュニケーション不全がもたらすミスやクレーム隠蔽体質について考えてみたいと思います。
部門間や部門内、上司と部下といった組織内のコミュニケーションの状況をみれば、活性化した組織なのか、そうではないのかが推測することができます。十分なコミュニケーションが取れている組織の場合は、情報やノウハウの共有が促されており、その結果、迅速な対応や安定した品質での顧客サービスが実現できているものです。またミスやクレームの報告についてもきちんとなされており、会社には何でも報告するという雰囲気が醸成されています。
反対に、コミュニケーションがとれていなければ2007年7月28日のブログ記事「組織におけるコミュニケーション不全が組織に与える影響」でお話したように、組織の様々な所で歪みが現れ、ミスやクレーム報告についても、隠すという方向に走りかねません。ミスやクレームを隠蔽する体質になる背景には様々な要因が考えられますが、それが昇進や人事評価に響くのではないかという心配や責任感から自分で何とかしようという思いがあることが多いのではないでしょうか。またその他にも、相談相手がいない、上司には相談しにくいといったこともありますが、ここには同じ職場の社員間の信頼関係の構築が十分にできていないという問題が考えられます。このようにコミュニケーションには、相互理解(自分のことを分かってもらう・相手のことを知る)を通じて信頼感を高めるという大きな効果があることを理解しておきたいものです。
同じ会社に勤めながら、フロアーや部門、チームが違うだけでコミュニケーションをとることのできる機会は少なくなりがちです。ましてや同じ部門であってもすれ違いとなることがあります。このすれ違いの穴をどのようにして埋めるのかがこの問題を解く鍵となってきます。過度のメールの利用など仕事の環境がすれ違いを余計に加速させかねないため、バランスを考えた上で、意識的にコミュニケーションを図っていくことが望まれています。
関連blog記事
2007年9月24日「メール文化がもたらす無口な職場」
https://roumu.com
/archives/51074796.html
2007年9月8日「確認しておきたい組織内コミュニケーションの不全ポイント」
https://roumu.com
/archives/51062858.html
2007年8月18日「意思決定への参加が社員と組織に与える影響」
https://roumu.com
/archives/51046772.html
2007年7月28日「組織におけるコミュニケーション不全が組織に与える影響」
https://roumu.com
/archives/51029625.html
(福間みゆき)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。