[給与計算業務の改善]各種書式の改善で大きな生産性向上を実現

 先日より不定期連載している[給与計算業務の改善]シリーズですが、今回はお客様の給与計算改善業務をお手伝いする際に、必ずと言ってよいほど指摘する項目である各種申請書式の形式について取り上げましょう。


 社員の入退社・異動等の各種申請書類は、市販のものを利用しているケースと自社で独自の様式を作成しているケースが見られますが、その使い勝手が悪く、業務の生産性低下やミスの原因となっていることが少なくありません。どれも小さな改善ですが、以下のような点を見直すことで大きな効果が出てきます。



社員番号を記載する欄はあるか?
 通常、給与計算ソフトでは、社員番号が入力のキーとなっています。このため、社員番号の有無が入力スピードの生産性を高める大きなポイントとなります。必ず設定するようにしましょう。


書類の社員番号や氏名を記載する欄は統一されているか?
 社員番号や氏名の記載位置が右上端や書類の記載欄内、右下端というようにバラバラに設置されている事例が少なくありません。これも毎回記載位置を確認する必要があるため、生産性を落とすひとつの原因となります。


書類のサイズは同じ大きさになっているか?
 「20年前から書式を変えていません」時折、このようなお話を聞きます。実際の書類を見ると、B5もしくはB4サイズであることがほとんど。現在は役所の様式もほとんどA4もしくはA3サイズで管理されていますので、書類の保管や紛失漏れを防ぐためには書類のサイズを統一することが欠かせません。


書類の向きは統一されているか?
 書類に記載する内容によって、書類の向きが縦であったり、横になっていたり。入力をする際にも向きを変えなければならず、また、ファイルするにも両方のファイルを用意し、棚への収納もバラバラという不都合が生じます。


書類に管理番号や改訂年月が記載されているか?
 多くの書類を管理しなければならない場面では、その書類名称のみならず管理番号を振っておくと取扱いがスムーズになります。また、書類の内容を変更したにも関わらず古い様式を利用していることもよく目にする状況です。改訂年月を入れて管理をすると共に常に、最新の書式が事業所に備え付けられている状況にせねばなりません。


書類の提出先(最終管理先)や提出期限は記載されているか?
 書類の回収状況が悪い場合、その原因を分析すると書類に提出先と提出期限が記載されていないということが多く見られます。提出先と最終管理先を明記することで決裁段階で書類が滞留することを防ぐことができます。


 今回も非常に基礎的な内容ですが、チェックをしてみると、案外できていないことに気付くのではないでしょうか。こんな小さなことでも、確実に実施することで書類管理が飛躍的に向上するものです。一度、書類を見直し、上記チェックポイントを確認してみてください。



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(宮武貴美)


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