コミュニケーションを促す最初の接点づくり

 かつては職場のフロアでタバコを吸うというシーンをよく目にしましたが、今では職場の全フロアーを禁煙にする企業が多くなり、喫煙場所が指定されるようになってきました。喫煙する社員に対して、隔離された場所でしか吸うことができず、肩身が狭くてかわいそうにと同情する気持ちがありますが、それと同時にうらやましいと感じることがあります。それは、普段接点のない他部門の社員とコミュニケーションを図ることができるからです。お互いが一旦仕事から離れて来ているため、話しかけやすい雰囲気があるのでしょう。


 普段の業務の中では、何か特別に仕事を一緒にする機会がなければ、他部門の社員と接点を持つことはそう多くはないでしょう。ましてや企業の規模が大きくなり、フロアが異なったり支店ができたりすれば、ますますコミュニケーションを取ることが難しくなってしまいます。そう考えると、喫煙所は他部門の社員と気軽にコミュニケーションを図ることのできる貴重な場なのかもしれません。


 特に入社したばかりの社員は、会社のことを詳しく知り、多くの社員と交流を図りたいという強い思いを持っていることが通常です。しかし、中途社員の場合は配属先が決まった状態で入社し、更には新卒社員においても職種別採用の一般化によって配属先が決まった状態で入社する傾向が近年強くなっています。以前は、様々な部署においてOJT研修が行われ、その研修で社内にどのような人がいるのかを知ることができ、一度接点を持つことによって、次に出会ったときも気軽に話をすることができます。それだけに、社内でのコミュニケーションを促進するためには、意図的に社員にそうした接点を持たせることが重要となります。運動会や社員旅行、研修会の開催などの会社主導のイベントなどがこれに当たりますが、社員レベルでも、他部門とのつながりのある社員を中心にして、これからのシーズンにおいて他部門との忘年会を行うなどの交流も望まれるでしょう。



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(福間みゆき)


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