なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?退職理由3「組織のあり方」

 本日は「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?」の連載の第4回をお届けしましょう。前回は職員の早期退職問題の7つの原因のうち、2つ目の職場の風土についての問題を取り上げましたが、本日はの組織のあり方の問題を解説したいと思います。



[職員の早期退職問題の7つの原因]

経営理念の浸透についての問題
職場の風土についての問題
組織のあり方についての問題
自分自身のキャリアアップについての問題
患者(利用者)との関係についての問題
労働条件についての問題
給与水準についての問題



 本日はこれらのうち、退職理由3「組織のあり方についての問題」について解説しましょう。
[退職の理由]
 医療機関や福祉施設の退職者と面談を行うと、「組織上の問題」という退職理由が聞かれることがあります。組織上の問題が意味するところは様々ですが、「連絡や情報が伝わらず困ることが多かった」であるとか「上司が業務や責任を丸投げして困った」というような組織体制の問題と管理者の自覚の欠如という問題が背景にあるようです。


[退職に繋がる主な原因例]
指示を出す人が何人もいて困ることが多い。
指示命令系統が歪であり、誰の指示に従えば良いのか分からない。
仕事の変更点や連絡が伝わらず困ることが多い。
上司がトラブル発生時に適切な対応をしていない。
管理者同士で役割分担が不明確になっている。等


[定着に向けての回避策]
 組織体制の問題については、情報伝達系統を考え、場合によってはよりフラットな組織体制に見直すことも考える必要があります。また、縦系統の情報伝達のみでなく、委員会や様々な会議といった横断的な情報伝達系統の見直しが求められることも多く、こうした体制の見直しによって問題が解決できることがあります。また、管理者の自覚の欠如という課題については、本来であれば主任クラスをはじめとした管理者が主体的に行動することが理想ではありますが、現実的にそこまで求めるのは難しいということもあるでしょう。そうした場合には、それぞれの管理者がどういった役割で仕事を進めるのかといった職務分掌を策定することも効果的です。


 それでは次回は、退職理由4「自分自身のキャリアアップについての問題」について取り上げます。



関連blog記事
2008年1月4日「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?退職理由2「職場の風土」」
https://roumu.com
/archives/51207562.html

2007年12月30日「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?退職理由1「経営理念の浸透」」
https://roumu.com
/archives/51206101.html

2007年12月10日「なぜ看護師・介護士は3年で辞めるのか?その1」
https://roumu.com
/archives/51190709.html


(服部英治


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