今春の東証第1部上場クラスの賃上げ見通しは6,365円(2.0%)
先日、労務行政研究所より「2008年賃上げの見通し-労使、学識者364人アンケート調査」の結果が発表されました。この調査は東証第1部上場企業の労組委員長、同人事・労務担当部長および学識経験者を対象に、今春の賃上げ見通しやベアについてのアンケートを行ったもの。
これによれば、東証第1部上場クラス企業の今春の賃上げ見通しは全回答者の平均で6,365円(2.0%)となりました。前年の厚生労働省・主要企業における賃上げ実績は5,890円(1.87%)でしたので、額で475円、率で0.13%という比較的強気の予想となっています。また今年は日本経団連が企業業績に応じたベアを容認したことで、多くの企業・組合でベアの実施に関する関心が高まっていますが、こちらについては労働側は「ベアを実施すべき」が71.2%に上っているのに対し、経営側の「実施する予定」は18.9%に止まり、労使間で大きな意識の差が見られました。
原油高や円高の進行、株価の急落などで経営環境の見通しが悪くなっている中、実際の春闘がどのように動くのかに注目したいところでしょう。
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2008年1月2日「日本経団連調査の役職者賃金 課長の平均は531,425円」
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2007年12月27日「平成19年の賃上げ実績は4年連続プラスの4,378円」
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2007年8月21日「主要企業の昭和40年以降の賃上げの推移」
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参考リンク
労務行政研究所「2008年賃上げの見通し-労使、学識者364人アンケート調査」[pdf]
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/4720
(大津章敬)
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