会社に求められる新入社員へのフォロー
3月中旬となり、あと半月もすると新入社員が入社してきます。毎年4月になると如何にも新入社員という雰囲気の若手を、通勤電車などでもよく目にしますが、しばらくはこういった仕事がやりたいと希望に満ちたり、この会社で働いていけるのだろうかと不安に感じたりすることになるでしょう。
入社当初は、思い描いていたものと実際の仕事とが違うため、リアリティ・ショックを感じてしまうことが多くあります。採用面接の段階で、組織の現状や実際の仕事の姿を見せておきリアリズムを提供していれば、このリアリティ・ショックを若干和らげることに繋がりますが、人材確保が難しい中、どの企業も応募者に対して少しでも良い印象を与える必要があるため、そのような対策まで手が回らないというのが実態ではないでしょうか。
それだけに実際に入社してきた社員に対しては、一定のフォローが求められます。新入社員に関してはまず本人がこれからやってみたい仕事を明確にしてさせておくことが重要です。もちろんこれは入社動機と重なってくるものですが、入社後の研修を受けたり、組織の様子が分かってきた中で、改めて考え直し、明らかにしておくことが重要ではないでしょうか。この明確にしておいた仕事は、現状に不安や不満を感じたときに本人がこの会社で働く原点となり、自分が自分を動機づける手段の一つになるでしょう。その上で、会社としては、入社後3ヶ月や6ヶ月というスパンで面談を行い、本人の状況を確認し、相談に乗るといったフォローも重要です。仕事のどの部分で行き詰っているのか、上司や先輩社員が新入社員に対して行っている仕事の指示の仕方に問題はないのか等、新人が抱えやすい不満や愚痴を聞きだしたいものです。また、身近な先輩社員が仕事のコツやこの組織で働いていく上での術(すべ)を教えるなど、現場のフォローも欠かせないでしょう。
新入社員の早期離職が多くの企業で問題になっています。「最近の新入社員は…」という前に、企業としてできる対策を行っておきたいものです。
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(福間みゆき)
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