日雇い派遣禁止など派遣法改正に向けた自民党PTの提言内容

日雇い派遣禁止など派遣法改正に向けた自民党PTの提言内容 昨日の新聞紙上で大きく取り上げられた自由民主党「労働者派遣制度の見直しに関する提言」の原文が公開されました。内容としては、日雇い派遣の原則廃止、派遣社員の常用雇用への切り替え促進、専ら派遣の規制強化、偽装請負や違法派遣への監督強化などの方針が掲げられていますが、この内容が労働者派遣法改正案としてまとめられ、8月下旬にも召集される臨時国会において提出される予定となっています。現実的には企業の人材確保や派遣労働者の就労機会の確保に大きな影響を与える内容だけに今後様々な議論がなされると予想されますが、臨時国会においては改正労働基準法と共に、その動向について注目しておく必要があるでしょう。


 以下では今回の「労働者派遣法改正の基本的考えについて」を全文転載します。



労働者派遣法改正の基本的考え方について
(1)日雇派遣について
 日雇派遣は、派遣の中でも特に雇用が不安定であることから、原則禁止とすること。ただし、日雇派遣が常態であり、かつ、労働者の保護に問題がない業務等については、ポジティブ・リスト化して例外的に認めるものとすること。
また、日雇派遣事業の日雇職業紹介事業への切り替えの促進を図るとともに、併せてハローワークの機能強化により日雇派遣労働者の安定就職の促進を図ること。
(2)登録型派遣について
 登録型派遣の労働者のうち希望する者には、常用型派遣を含む常用雇用へ切り換えることを促進するための仕組みを設けるなどの雇用の安定化につながる措置をとること。
(3)待遇の改善について
 派遣労働者の職務内容に相応しい待遇が確保されるために必要な措置をとること。
(4)労働保険について
 派遣先の法律上の災害防止責任が反映されるよう必要な措置をとること。


労働者派遣事業の適正化について
 派遣会社における事業の透明化、適正化を図るため、以下について措置すべきである。
(1)マージン率について
 労働者派遣事業に係る情報公開については、マージン率の公開を含め、法律上の義務とし、その徹底を図ること。
(2)専ら派遣について
 労働者の処遇の切り下げに用いられやすいことから、グループ企業内において労働者派遣事業を行うことについて一定の規制を行い、適正な事業運営が行われるようにすること。


偽装請負、違法派遣への対処について
(1)偽装請負について
 派遣先が偽装請負等を繰り返すような場合に、より強い行政措置が発動されるようにすること。
(2)違法派遣について
 違法派遣を行った派遣会社に対して処分の実効性を高めるようにするなど、指導監督強化のための措置をとること。



関連blog記事
2008年3月15日「派遣先責任者選任義務の範囲」
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2007年10月20日「8年間で企業における派遣労働者の割合が倍増!」
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2007年10月4日「ハローワークにおける派遣・請負の求人確認が厳格化」
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参考リンク
自由民主党「労働者派遣制度の見直しに関する提言」
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2008/seisaku-020.html


(大津章敬、渡邉てるゑ)


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