職階の差がもたらす男女間の賃金格差
先日、厚生労働省から男女の賃金格差についてまとめられた資料「男女間の賃金格差レポート(2008年9月)」(以下、「レポート」という)が発表されました。今回はこのレポートの中から男女の賃金格差の要因の一部を取り上げてみましょう。
労働者の性別による差別問題は男女雇用均等法の施行により具体的な対策が進められ、制度面においては男女均等取扱いが着実に浸透して来ています。しかし、実態として賃金格差については格差の縮小傾向は見られるものの諸々の理由によりまだ存在していると言わざるを得ないようです。レポートでは、この格差の最大要因は男女間の職階(部長、課長、係長などの役職)の差であり、勤続年数の差も影響している、としています。確かに、左図(画像はクリックして拡大)のとおり、職階による男女間格差縮小の程度が11.8と最大になっており、部長、課長、係長などの上位の職階についている女性の割合が男性に比べ低いことが分かります。これに次いで勤続年数が5.5と影響が大きいと言えます。
近年では女性を役職者として積極的に登用するという企業も増えてきており、この意識が広がり、女性の活躍が更に活躍することで、徐々に職階による賃金格差は縮小していくものと考えられます。一方で、女性が長く働くことのできる職場環境も少しずつ整備されています。企業の実務担当者にとっては、今後、整備された制度をどのように有効利用して職場で活躍してもらうかがテーマになりそうです。
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参考リンク
厚生労働省「男女間の賃金格差レポート(2008年9月)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/seisaku09/index.html
(宮武貴美)
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