非正規社員が占める割合が急増し、全体の37.8%に

非正規社員が占める割合が急増し、全体の37.8%に 以前より全体の労働者数に対しパートタイマーや派遣労働者等の非正規社員の割合が増加する傾向が見られ、低賃金や不安定な雇用状況が社会問題となっていますが、このような中、先日、厚生労働省から「平成19年就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」(以下、「調査結果」という)が発表されました。


 この調査結果を見てみると前回の平成15年調査では34.6%だった非正規労働者の割合が、37.8%と更に増加するという結果となりました(グラフはクリックして拡大)。就業形態別にはパートタイム労働者が22.5%(前回23.0%)、派遣労働者が4.7%(前回2.0%)となり、特に派遣労働者が増加していることが分かります。また、産業別にみると、パートタイム労働者では飲食店,宿泊業、卸売・小売業の産業で、派遣労働者では情報通信業、製造業、金融・保険業で、契約社員では教育,学習支援業、情報通信業で、それぞれ他の産業に比べて割合が高い結果となっています。一方、非正規社員を活用する理由では、「賃金の節約のため」がもっとも多くなっていますが、40.8%と前回調査の51.7%からはかなり下がってきています。近年では最低賃金の大幅な引き上げもあり、環境が変わってきていることが分かります。


 今年の4月にはパートタイム労働法の改正があり、今後、労働者派遣法の改正も注目を浴びています。非正規社員の活用と雇用管理はますます重要となりそうです。



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2008年10月28日「改正労働者派遣法 法律案要綱のポイント」
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2008年9月29日「労働者派遣に関する2009年問題通達のポイント」
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参考リンク
厚生労働省「平成19年就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/syugyou/2007/1107-1.html


(宮武貴美)


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