障害者雇用に関して創設・拡充された助成金制度
現在の雇用危機に対応するため、様々な助成金制度が創設・拡充されており、当ブログでも2009年2月14日のブログ記事「雇止めした労働者に住居を提供する企業に支給される「離職者住居支援給付金」の概要」を初めとして、順次ご紹介をしておりますが、本日は平成20年度第2補正予算成立を受け、創設・拡充された3つの障害者雇用関係助成金制度について取り上げます。
中小企業について、障害者の雇入れに対する助成金(特定求職者雇用開発助成金)の拡充
障害者をハローワーク等の紹介により継続して雇用する労働者(一般被保険者)として雇い入れる中小企業の事業主に対する助成金が拡充されました。助成金は雇い入れ後6か月ごとに支給され、対象期間、支給される助成金の総額は以下のとおりです。
(1)身体・知的障害者
対象期間:1年6ヶ月
支給額:拡充前90万円→拡充後135万円
(2)身体・知的障害者(重度又は45歳以上)、精神障害者
対象期間:2年
支給額:拡充前160万円→拡充後240万円
(3)短時間労働者の身体・知的・精神障害者
対象期間:1年6ヶ月
支給額:拡充前60万円→拡充後90万円
障害者の雇用経験のない企業に対する奨励金(障害者雇用ファースト・ステップ奨励金)の創設
障害者雇用の経験のない中小企業(障害者の雇用義務制度の対象となる56人~300人規模の中小企業)において、ハローワークの紹介により身体・知的・精神障害者を初めて継続して雇用する労働者(一般被保険者)として雇い入れる事業主に対する奨励金が創設されました。(※雇用失業情勢が改善するまでの時限措置)支給額は、1人目の障害者を雇用することに対し、100万円とされています。
特例子会社等の設置及び障害者の雇入れに対する助成金(特例子会社等設立促進助成金)の新設
平成21年2月6日以降に設立する特例子会社または重度障害者多数雇用事業所であって、身体・知的・精神障害者を10人以上雇用するものを設立した事業主に対する助成金が創設されました。(※雇用失業情勢が改善するまでの時限措置)支給額は以下のとおり、支給期間は3年間とされています。
(1)雇用障害者数10人から14人
支給額:初年度2,000万円 2・3年目 1,000万円
(2)雇用障害者数15人から19人
支給額:初年度3,000万円 2・3年目 1,500万円
(3)雇用障害者数20人から24人
支給額:初年度4,000万円 2・3年目 2,000万円
(4)雇用障害者数25人以上
支給額:初年度5,000万円 2・3年目 2,500万円
の助成金は新設ですので、今後、詳細を確認する必要があろうかとは思いますが、の特例子会社等設立促進助成金については支給額も大きく、グループ会社を有する大企業・中堅企業において有効に活用できる可能性を秘めていると考えられます。
関連blog記事
2009年2月14日「雇止めした労働者に住居を提供する企業に支給される「離職者住居支援給付金」の概要」
https://roumu.com
/archives/51499820.html
2009年2月12日「年長フリーター・内定取消者等の雇用に対し支給される「若年者等正規雇用化特別奨励金」」
https://roumu.com
/archives/51499250.html
2009年2月10日「2月6日に創設された派遣労働者雇用安定化特別奨励金の概要」
https://roumu.com
/archives/51499235.html
2009年2月7日「中小企業緊急雇用安定助成金の最新(2月6日改正反映版)リーフレット ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51498196.html
2009年2月6日「第二次補正予算成立を受け発表された「20分の1要件」撤廃など雇用調整助成金等の拡充」
https://roumu.com
/archives/51497481.html
2009年1月29日「第2補正予算で成立した厚生労働省の各種助成金制度」
https://roumu.com
/archives/51493125.html
参考リンク
東京労働局「第2次補正予算により拡充・創設された雇用に関する助成金のご案内」
http://www.roudoukyoku.go.jp/topics/2008/20090210-jyoseikin/index.html
東京労働局「障害者の雇用維持、雇用促進にご協力ください!」
http://www.roudoukyoku.go.jp/topics/2008/20090210-jyoseikin/pdf/pdf8_9.pdf
(大津章敬)
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