第二次補正予算成立を受け発表された「20分の1要件」撤廃など雇用調整助成金等の拡充
昨日、厚生労働省より雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金の制度拡充内容が発表されました。今回の拡充は第二次補正予算成立を受けて実施されたものですが、ポイントは以下のようになっています。特に、この助成金を活用する際の最大のネックであった休業等の規模要件(いわゆる20分の1要件)が廃止されたことにより、今後、更に多くの企業がこの助成金を利用することとなるでしょう。なお今回の改正の施行日は本日、平成21年2月6日(金)の予定とされています(画像はクリックして拡大)。
雇用調整助成金の拡充のポイント
(1)大企業に対する助成率の引き上げ
【従 前】「2分の1」
↓
【拡充後】「3分の2」
(2)事業活動量を示す判断指標の緩和
従前の「生産量」に加え「売上高」も対象とし、「売上高又は生産量」とする。
(3)休業等の規模要件の廃止
【従 前】「所定労働延日(時間)数の15分の1以上(大企業の場合)、20分の1以上(中小企業の場合)」
↓
【拡充後】撤廃
(4)支給限度日数の延長
・従前の最初の1年間「100日まで」を「200日まで」とする。
・従前の3年間「150日まで」を「300日まで」とする。
(5)クーリング期間の廃止
【従 前】「制度利用後1年経過した後でなければ再度利用することができない」
↓
【拡充後】撤廃
(6)短時間休業の助成対象範囲の拡充
従前の「従業員全員が一斉の短時間休業(1時間以上)を行った場合」に加え、「従業員毎に短時間休業を行った場合」も対象とする。
中小企業緊急雇用安定助成金の拡充のポイント
(1)支給限度日数の延長
・従前の最初の1年間「100日まで」を「200日まで」とする。
・従前の3年間「200日まで」を「300日まで」とする。
(2)上記1.雇用調整助成金の(2)(3)(5)(6)に同じ。
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参考リンク
厚生労働省「雇用調整助成金等の拡充及び離職者住居支援給付金の施行について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/02/h0205-1.html
(大津章敬)
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