平成20年度末で25,441件の契約が残る適格退職年金

平成21年度末で25,441件の契約が残る適格退職年金 平成21年5月31日のブログ記事「平成20年9月末時点で約30,000件の契約が残る適格退職年金」では、厚生労働省のアンケートによる適格退職年金制度の現状について取り上げましたが、その後、信託協会より平成21年度末時点での企業年金の受託概況についての資料が公表されました。


 適格退職年金制度は平成24年3月をもって廃止となりますが、今回の調査結果によれば、廃止期限までちょうど3年の平成20年度末時点で25,441件の契約が残っていることが明らかになりました。平成21年3月末現在の適格退職年金の状況は以下のようになっています。
受託件数 25,441件(前年比△7,384件)
加入者数 348万人(前年比△94万人)
資産残高 81,319億円(前年比△30,753億円)


 1年前の結果については2008年6月20日のブログ記事「廃止期限まで4年となるも32,825件の契約が残る適格退職年金」で取り上げていますが、平成20年度と比較すると受託件数の減少ペースは若干早まっています(グラフはクリックして拡大)。しかし、廃止期限まで3年の時点で未だ25,441件もの契約が継続している事実に変わりはありません。現実に適格退職年金の制度廃止・資産移換を行う場合には今後の制度の内容にもよりますが1年程度の期間が必要となることも珍しくないため、同契約を保有している企業においては早急な具体的意思決定が求められます。



名南経営書籍紹介
大津章敬著「日本一わかりやすい退職金・適年制度改革実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539720732/roumucom-22


関連blog記事
2009年5月31日「平成20年9月末時点で約30,000件の契約が残る適格退職年金」
https://roumu.com
/archives/51561381.html

2009年5月20日「平成20年度も低水準に止まった適年制度から中退共への引継ぎ」
https://roumu.com
/archives/51555470.html

2009年4月27日「平成22年1月に解禁が検討される確定拠出年金のマッチング拠出」
https://roumu.com
/archives/51542035.html

2009年4月19日「2008年度の企業年金平均収益率は△17.02%と過去最悪」
https://roumu.com
/archives/51536156.html

2009年4月12日「中退共の平成21年度付加退職金はゼロ」
https://roumu.com
/archives/51531611.html

2009年1月31日「2008年4月~12月の度企業年金の平均収益率は△15.24%」
https://roumu.com
/archives/51493928.html

2008年12月6日「2007年度企業年金の修正総合利回りは△10.58%」
https://roumu.com
/archives/51462176.html

2008年6月20日「廃止期限まで4年となるも32,825件の契約が残る適格退職年金」
https://roumu.com
/archives/51354776.html


参考リンク
信託協会「企業年金の受託概況(平成21年3月末現在)」
http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/news210527.html


(大津章敬)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。