従業員の家族が新型インフルエンザ罹患した際の自宅待機等の取扱い 多くの企業の対応は?

従業員の家族が新型インフルエンザ罹患した際の自宅待機等の取扱い 2009年9月15日のブログ記事「従業員が新型インフルエンザ罹患で休業した場合の賃金の取扱い 多くの企業の対応は?」では、労務行政研究所の「企業における新型インフルエンザ対策の実態」という調査から、従業員が新型インフルエンザに罹患した場合の賃金の取り扱いについて取り上げました。今回はこれに引き続き、従業員の家族が罹患した場合の対応およびその際の賃金取り扱いについて取り上げる予定をしています。


 まず同居家族に感染が確認された場合の従業員の自宅待機の取り扱いですが、「保健所から『濃厚接触者』として外出の自粛要請が出された場合は自宅待機とする」が43.1%と最多で、これに「保健所の判断を待たず,原則として自宅待機とする」の33.9%が続いています(グラフはクリックして拡大)。しかし現実問題、現時点においては濃厚接触者についての行政からの外出自粛要請は出されていないままに感染が拡大しているという状況があることから、実際の運用においては企業の判断で自宅待機としている事例が多いのではないかと思われます。


 一方、このように企業の判断で自宅待機の取り扱いを行う際の賃金取り扱いについては、50.8%の企業で賃金を通常通り支給するという結果となっていますが、これは従業員本人の場合と同様、完全月給制の企業が数値を引き上げている可能性が指摘されます。これに対し、「賃金や休業手当等は一切支払わない」と「賃金は支払わず、休業手当を支払う」という企業はそれぞれ14.8%となっています。



関連blog記事
2009年9月17日「新型インフルエンザ対策の社内研修に最適!政府インターネットテレビ」
https://roumu.com
/archives/51620340.html

2009年9月15日「従業員が新型インフルエンザ罹患で休業した場合の賃金の取扱い 多くの企業の対応は?」
https://roumu.com
/archives/51620229.html

2009年8月31日「「インフルエンザかな?」症状がある方へ 受診と療養の手引き」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50527966.html
2009年8月28日「あ、その咳、そのくしゃみ~咳エチケットしてますか?」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50528752.html
2009年5月19日「国内感染確認後の新型インフルエンザ対策」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50494343.html
2009年5月12日「新型インフルエンザ対策パンフレット」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50489898.html
2009年5月7日「海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50487539.html
2009年5月1日「事業所・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50485868.html
2009年9月9日「[ワンポイント講座]社員あるいはその家族が新型インフルエンザに罹患した際の給与の取扱い」
https://roumu.com
/archives/51617378.html

2009年7月6日「新型インフルエンザを理由とした休業等についても雇用調整助成金の対象に」
https://roumu.com
/archives/51582309.html


参考リンク
財団法人労務行政研究所「企業における新型インフルエンザ対策の実態」
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/20086


(大津章敬)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。