平成20年度のサービス残業是正支払額は1,553社で196億円
先日、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果」という資料が公表されました。例年行われている調査ですが、本日のブログではこの資料の結果について取り上げておきましょう。これによれば、平成20年4月から平成21年3月までの間に、定期監督および申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の支払が行われたもの(その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったものに限る)の状況は以下のようになっています(グラフはクリックして拡大)。
是正企業数 1,553企業
対象労働者数 180,730人
支払われた割増賃金の合計額 196億1,351万円
(企業平均 1,263万円 労働者平均 11万円)
是正企業数と是正支払額は平成19年度をピークに減少していますが、是正支払額をみると、未だに不払い残業の問題が継続していることが分かります。来年4月には改正労働基準法の施行が予定されており、割増賃金率の改正も行われます。今後、労働基準監督署の調査も増加することが予想されますので、企業側はいま一度時間管理が適切に行われているか、自主点検を行っておきたいところです。
関連blog記事
2009年1月30日「「長時間労働の抑制のための自主点検表」ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51493699.html
2008年10月31日「平成19年度のサービス残業是正支払額は1,728社で272億円」
https://roumu.com
/archives/51440408.html
2007年12月7日「対応が遅れる労働時間の適正な把握と懸念される調査の増加」
https://roumu.com
/archives/51186435.html
2007年10月31日「明日から賃金不払残業解消キャンペーンがスタート~今年は過重労働解消も目的に追加」
https://roumu.com
/archives/51143376.html
2007年10月7日「平成18年度のサービス残業是正支払額は1,679社で227億円」
https://roumu.com
/archives/51113831.html
参考リンク
厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果― 平成20年度は約196億円 ―」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/h1022-4.html
厚生労働省「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1b.html
厚生労働省「賃金不払残業総合対策要綱」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1a.html
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/dl/h1005-1a.pdf
(宮武貴美)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。