非常に労働者保護色の強い労働者派遣法改正法案の部会報告骨子
先週の金曜日に労働者派遣法改正案を審議している労働政策審議会 職業安定分科会 労働力需給制度部会(第140回)が開催され、「部会報告に向けての公益委員案骨子」が示されました。労働者派遣の制度見直しについては製造派遣の禁止という民主党のマニュフェストにも掲げられていた内容であり、大きな注目を集めていますが、この骨子ではそれに止まらず「登録型派遣の原則禁止」や「違法派遣の場合における直接雇用義務」までもが盛り込まれるなど、非常に労働者保護色の強い内容となっています。以下ではそのポイントを取り上げます。
[労働者派遣法改正 部会報告に向けての公益委員案骨子のポイント]
登録型派遣の原則禁止
専門26業務や高齢者派遣、紹介予定派遣、育児介護等休業の代替要員派遣を除き、登録型の労働者派遣を禁止する。
製造業務派遣の原則禁止
常用雇用の労働者派遣を除き、製造業派遣を禁止する。
日雇い派遣の原則禁止
日々または2ヶ月以内の期間を定めて雇用する労働者についての労働者派遣を禁止する。
均等待遇
派遣元は、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮する旨の規定を設ける。
マージン率の情報公開
派遣元は、マージン率の公開などに加え、派遣労働者に対して一人あたりの派遣料金の額を明示しなければならない。
違法派遣の場合における直接雇用義務
期間制限を超えての派遣受入れや偽装派遣などの違法派遣の場合には、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす。
木曜日には最高裁で偽装請負における直接雇用義務が争点となった松下プラズマディスプレイ社の判決が出ましたが、労働者派遣については再び規制強化の方向が明確となっており、今後の企業の人材調達にも大きな影響を与えることは必至です。なお、明日も朝の8時からこの労働力需給制度部会が開催されますので、その内容には注目したいところです。
関連blog記事
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参考リンク
第140回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会「部会報告に向けての公益委員案骨子」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1218-11a.pdf
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(平成20年11月4日提出:いわゆる20年法案)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/170.html
(大津章敬)
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