厚労省の試算に見る個人型確定拠出年金の所得控除の効果の大きさ

 最近の株式相場の低迷や円高により、確定拠出年金加入者の多くは運用に苦戦しているという話も多く聞かれますが、確定拠出年金の掛金は税制上、所得控除ができるという大きなメリットがあります。このメリットを伝え、確定拠出年金の普及を図りたいということだろうと思いますが、厚生労働省は個人型の確定拠出年金に加入した場合の所得控除の効果をホームページ上に掲載しました。


 以下がその内容ですが、その効果の大きさが分かるのではないでしょうか。年金不安は年々高まる一方の情勢にありますので、安心した老後のためにもこうした制度を上手に活用していきたいものです。


[課税所得金額及び掛金額に応じた税の効果(軽減)額(年額)]
※税率は平成22年4月1日現在の法令によるもの。


課税所得金額が195万円以下の場合(税率5%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 5% =  6,000円
25,500円  × 12ヶ月 × 5% =  15,300円
51,000円  × 12ヶ月 × 5% =  30,600円
68,000円  × 12ヶ月 × 5% =  40,800円


課税所得金額が195万円超330万円以下の場合(税率10%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 10% =  12,000円
25,500円  × 12ヶ月 × 10% =  30,600円
51,000円  × 12ヶ月 × 10% =  61,200円
68,000円  × 12ヶ月 × 10% =  81,600円


課税所得金額が330万円超695万円以下の場合(税率20%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 20% =  24,000円
25,500円  × 12ヶ月 × 20% =  61,200円
51,000円  × 12ヶ月 × 20% =  122,400円
68,000円  × 12ヶ月 × 20% =  163,200円


課税所得金額が695万円超900万円以下の場合(税率23%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 23% =  27,600円
25,500円  × 12ヶ月 × 23% =  70,380円
51,000円  × 12ヶ月 × 23% =  140,760円
68,000円  × 12ヶ月 × 23% =  187,680円


課税所得金額が900万円超1,800万円以下の場合(税率33%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 33% =  39,600円
25,500円  × 12ヶ月 × 33% =  100,980円
51,000円  × 12ヶ月 × 33% =  201,960円
68,000円  × 12ヶ月 × 33% =  269,280円


課税所得金額が1,800万円超の場合(税率40%) 掛金額(月額)  効果(軽減)額
10,000円  × 12ヶ月 × 40% =  48,000円
25,500円  × 12ヶ月 × 40% =  122,400円
51,000円  × 12ヶ月 × 40% =  244,800円
68,000円  × 12ヶ月 × 40% =  326,400円



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2010年01月24日「2009年10月~12月の度企業年金の平均収益率はプラス2.09%」
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参考リンク
厚生労働省「確定拠出年金制度」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/index.html


(大津章敬)



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