平成14年度からの8年間で適年解約企業の34.1%が中退共に移行
適年の廃止問題については、2010年6月23日のブログ記事「廃止期限まで2年となる昨年度末時点の適格退職年金契約件数は17,184件」を初めとして定期的に取り上げていますが、先日、中退共より「税制適格退職年金制度から中小企業退職金共済制度への移行状況」の発表がありました。これは毎年6月末に公表されているものですが、本日はこの資料を通じて、適年の中退共への移行状況について見てみることにしましょう。
平成21年度に適年制度から中退共制度へ移行した企業数は2,773社(前年比12.1%増)、従業員数88,035人(同20.0%増)となりました。これは移行期限である平成24年3月が迫り、多くの企業が適年制度の解約を進めたことが大きな要因と思われます。これにより、適年制度が廃止され、移行期間が設定された平成14年4月から平成22年3月末までの8年間の適年制度から中退共制度への移行企業総数は19,322社、従業員総数561,199人となりました。
先日のブログ記事でも取り上げた社団法人生命保険協会による「企業年金の受託状況」を基に適年制度を解約した企業のうち中退共制度に移行した割合を推計すると、平成21年度中に適年制度を解約した8,257社のうち33.6%、平成14年度から平成21年度までの8年間では56,729社のうち34.1%が中退共制度に移行しているものとみられています。
中退共は財務面の懸念があるとされるものの、制度および移行手続きのシンプルさからやはり中小企業の適年制度の受け皿としては依然、有力な候補となっています。
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関連blog記事
2010年6月23日「廃止期限まで2年となる昨年度末時点の適格退職年金契約件数は17,184件」
https://roumu.com
/archives/51751359.html
2010年01月24日「2009年10月~12月の度企業年金の平均収益率はプラス2.09%」
https://roumu.com
/archives/51686309.html
2009年10月25日「2009年7月~9月の度企業年金の平均収益率はプラス1.66%」
https://roumu.com
/archives/51641229.html
2009年7月27日「2009年4月~6月の度企業年金の平均収益率はプラス7.01%」
https://roumu.com
/archives/51593126.html
2009年7月3日「平成20年度に適年制度を解約した企業の33.0%が中退共を選択」
https://roumu.com
/archives/51581166.html
参考リンク
中退共「税制適格退職年金制度から中小企業退職金共済制度への移行状況」
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/tekinen/pdf/ikoujyokyo100630.pdf
社団法人生命保険協会「企業年金の受託概況(平成22年3月末現在)」
http://www.seiho.or.jp/data/news/h22/20100526.html
(大津章敬)
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