来年度の予算編成等に影響を及ぼす「雇用戦略基本方針」の概要

来年度の予算編成等に影響を及ぼす「雇用戦略対話」の概要 先日、首相官邸より「雇用戦略対話」合意 ~『雇用戦略・基本方針2011』について」(以下、「基本方針」という)が発表されました。これは、平成23年度予算編成等にも影響する政府の基本方針であり、労働・産業関係者、有識者および政府関係者で合意された内容となっています。本日はこの内容を確認しておきましょう。


 この基本方針では、雇用情勢について、持ち直しの動きがみられるものの、失業率が高水準で推移し、大卒者の就職内定率が就職氷河期を下回るおそれがあるなど、依然として厳しい状況にあるとみています。そして、今後の雇用見通しとしては、景気が緩やかに回復していくことが見込まれるとしているものの、趨勢的には改善することが期待される一方で、景気の下振れ懸念も残っており、予断を許さないとしています。このため、2011年度における主要政策として、政策を以下の3本の柱にし、展開することを掲げています。
 (1)雇用を「つなぐ」
 (2)雇用を「創る」
 (3)雇用を「守る」


 その上で、それぞれの具体的内容については以下のとおりとしています。
(1)雇用を「つなぐ」
 ①新卒者等雇用対策の推進
 ②トランポリン型セーフティネットの確立
 ③ジョブ・カード制度の見直し・推進
 ④実践キャリア・アップ制度の推進
 ⑤障がい者雇用の促進
(2)雇用を「創る」
 ①「日本国内投資促進プログラム」の推進
 ②子育て分野の雇用創出(「待機児童解消『先取り』プロジェクト」の推進)
 ③介護、医療分野の雇用創出
 ④環境・エネルギー分野の雇用創出(グリーン・イノベーションの推進)
 ⑤実践キャリア・アップ制度の推進(再掲)
 ⑥基金を活用した成長分野の雇用創出
 ⑦地域の雇用創造等
(3)雇用を「守る」
 ①「日本国内投資促進プログラム」の推進(再掲)
 ②雇用調整助成金の活用
 ③労働保険特別会計による事業
 ④中小企業への支援


 いずれの項目についても、これまでも対策や議論がおこなれれてきたものであり、すべてがバランスよく行われなければ失業者が減少にならない、失業者を増やしてしまうものであり、企業としてもどのような対策がなされるか注目していく必要があります。



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参考リンク
首相官邸「「雇用戦略対話」合意~ 『雇用戦略・基本方針2011』について」
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2010/101215goui.pdf


(宮武貴美


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