妥当との答申がなされた平成23年度 雇用保険法改正の法律案要綱

雇用保険法律案要綱 第177回通常国会も始まり、厚生労働省からも「平成23年度における子ども手当の支給等に関する法律案」等が提出されています。これに関連し、先日、「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書」を元に厚生労働省は同法律案要綱を労働政策審議会に諮問しましたが、この度、「妥当」との答申を得たとの発表がありました。


 この法律案要綱は、2010年12月20日のブログ記事「再就職手当の支給率アップや基本手当の上下限額の見直しが検討される雇用保険制度」でも取り上げている内容を含むもので、主に「失業等給付の充実」、「失業等給付に係る雇用保険料率」、「失業等給付に係る国庫負担」の3点についてまとめられています。それではこの3点について順に確認しておきましょう。


失業等給付の充実について
(1)賃金日額の引上げ
 失業者に対する「基本手当」の算定基礎となる「賃金日額」について、直近の賃金分布等をもとに、下限額等を引上げる。


(2)安定した再就職へのインセンティブ強化
①早期に再就職した場合に支給される「再就職手当」について、給付率の更なる引上げを行い、恒久化する。
・給付日数を1/3以上残して就職した場合
  給付率30%→40%(現在の暫定措置)→50%(恒久化)
・給付日数を2/3以上残して就職した場合:給付率30%→50%(現在の暫定措置)→60%(恒久化)
②就職困難者(障害者等)が安定した職業に就いた場合に支給される「常用就職支度手当」について、給付率が暫定的(30%→40%)に引上げられているものを恒久化する。


失業等給付に係る雇用保険料率について
・失業等給付にかかる法定の保険料率を1.6%から1.4%に引き下げる。
・平成23年度の保険料率は、平成22年度に引き続き、弾力条項による下限の1.2%に引下げる。
※平成24年度以降の保険料率は、弾力条項を用いて、1.0%まで引き下げることが可能


失業等給付に係る国庫負担について 
 国の厳しい財政状況等を勘案すると、平成23年度において国庫負担を法律の本則(25%)に戻せないことについてはやむを得ないが、国庫負担の趣旨を踏まえ、できるだけ速やかに法律の本則に戻すべきである。


 なお、部会で議論が進むに連れ、平成24年度以降の保険料率の話も出てきており、平成24年度は保険料率の引き下げも行われるかも知れません。いずれにしても、雇用保険制度の改正は、毎年年度末に向けて注目をすべき内容になっています。



関連blog記事
2010年12月20日「就職手当の支給率アップや基本手当の上下限額の見直しが検討される雇用保険制度」
https://roumu.com
/archives/51808664.html

2010年12月10日「労政審で議論される来年度の雇用保険制度改正の動向」
https://roumu.com
/archives/51806100.html
でも
2010年11月5日「愛知労働局HPよりダウンロードできる最新版「雇用保険のしおり」」
https://roumu.com
/archives/51795632.html

2010年10月15日「雇用保険事業年報にみる高年齢雇用継続給付の状況と今後」
https://roumu.com
/archives/51789900.html


参考リンク
厚生労働省「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011c10.html
厚生労働省「「雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」及び「労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する告示案要綱」の労働政策審議会に対する諮問及び同審議会からの答申について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011kt0.html


(宮武貴美


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。


当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。