平成23年4月1日に中小企業雇用安定化奨励金と短時間労働者均衡待遇推進等助成金が統合へ

lb05201 パートタイマーの雇用管理の改善を図ることを目的に、中小企業雇用安定化奨励金と短時間労働者均衡待遇推進等助成金の2つの助成金制度が設けられています。しかし、これらの助成金は制度趣旨が非常に近いことから、平成23年4月1日にこれらの助成金が統合され、新たに「均衡待遇・正社員化推進奨励金」が創設される予定となっています。


 この創設される均衡待遇・正社員化推進奨励金は大きく5つに分かれ、正社員転換制度、共通処遇制度、共通教育訓練制度、短時間正社員制度、健康診断制度のメニューが設けられる予定となっています。このうちの正社員転換制度は比較的利用しやすいものであり、有期労働契約者を正社員に登用するための制度を設け、実際に転換させた場合に受けることのできる助成金になります。具体的には、制度導入と転換促進の2つから構成され、その概要は以下のとおりとなります。
(1)制度導入 
 正社員に転換するための試験制度を導入してから2年以内に、実際に1人以上正社員に転換させたとき。
支給金額:中小企業の場合 40万円 
     大企業の場合  30万円
(2)転換促進
 正社員に転換するための試験制度を導入してから2年以内に、2人以上正社員に転換させたとき(ただし、10人を限度)。
支給金額:中小企業の場合 対象労働者1人について20万円
     大企業の場合      〃      15万円
          ※対象労働者の中に母子家庭の母等がいるときに拡充措置あり。


 (2)の転換促進においては、中小企業雇用安定化奨励金と取扱いが異なっていることに注意が必要です。具体的には、中小企業雇用安定化奨励金においては、制度を導入した際に正社員に転換した1人目を含み2人以上を転換させた場合に支給対象となりましたが、均衡待遇・正社員化推進奨励金では1人目は含まず、少なくとも2、3人目の2人を転換させた場合に支給対象となります。また、支給対象期間についても、中小企業雇用安定化奨励金は制度導入から3年間とされていましたが、これが2年間と短くなることも押さえておく必要があります。


 なお、助成金制度の統合に伴い移行期間における経過措置が設けられることになっており、中小企業雇用安定化奨励金、短時間労働者均衡待遇推進等助成金ともに平成23年3月31日までに支給要件を満たした事業主については申請ができるようになります。そのため、企業においては、現行制度と新制度のいずれの支給対象となるのか確認を行い、受給漏れがないようにしておきたいものです。


 以下にて、今回の助成金の詳細が記載されたリーフレット「中小企業雇用安定化奨励金と短時間労働者均衡待遇推進等助成金は平成23年4月1日に統合予定です」がダウンロードできますので、是非ご利用ください。
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51005225.html



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参考リンク
厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/e-top.html


(福間みゆき)


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