全体の4割近くまで上昇する非正規労働者の割合

全体の4割近くまで上昇する非正規労働者の割合 先日、厚生労働省から「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」(以下、「調査結果」という)が発表されました。この調査は、多様な就業形態の実態を明らかにすることを目的に、事業所とそこで働く労働者に対し、平成22年10月1日現在の状況を把握したものです。

 非正規労働者が全体の労働者の3分の1を占めるようになったといわれてから数年経ちますが、この調査結果の就業形態別労働者の割合では、正社員以外の労働者の割合が38.7%と4割を占めるまでに迫ってきています。産業別の結果を確認すると、宿泊業、飲食サービス業では、正社員以外の労働者の割合が全体の72.7%となっており、他の産業と比較して格段に高くなっています。

 また、正社員以外の労働者を活用する理由としては、「賃金の節約のため」が43.8%でもっとも多く、3番目には「賃金以外の労務コストの節約のため」が27.4%で入っています。正規労働者と非正規労働者の人件費の違い、福利厚生等に必要となる費用の違いが大きく、このような結果になっていることが推測されます。

 平成22年4月に行われた雇用保険法の改正では、その目的の一つに非正規労働者に対するセーフティネット機能の強化が入っており、明日からは厚生労働省の社会保障審議会で短時間労働者の社会保険適用等について議論が始まり、非正規労働者に対する社会保障の強化は現在の労働環境における大きなテーマになっているといえるでしょう。また最低賃金の引上げやパートタイム労働に関する議論で必ず話題となる同一労働同一賃金の議論もあり、非正規労働者の活用は今後も大きな話題となりそうです。


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2011年2月8日「夏に向けて報告書が取りまとめられるパートタイム労働法改正の方向性」
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2009年7月17日「重点指導されるパートタイム労働法の転換推進措置」
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2008年8月25日「導入が進められる非正社員から正社員への登用制度」
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参考リンク
厚生労働省「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/10/index.html

(宮武貴美)

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