年齢との相関関係がほとんど見られない非正規労働者の賃金

年齢との相関関係が低い非正規労働者の賃金 昨日、厚生労働省より「平成23年賃金構造基本統計調査(全国)」の結果が発表されました。この調査は、全国の主要産業で働く労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別などで明らかにしたものであり、平成23年6月のデータを7月に調査したものです。

 性別ごとの月額賃金を確認すると、一般労働者の賃金は、男性 328,300円(前年同額)、女性 231,900 円(前年比1.9%増)、男女計296,800円(前年比0.2%増)となり、女性および男女計では昨年を上回る結果となっています。また、短時間労働者の1時間当たりの賃金については、男性が1,092円(同1.0%増)、女性が988円(同0.9%増)となっています。

 この調査では、雇用形態別の賃金についてもまとめられており、図表のグラフの通り正社員・正職員については、男女いずれも年齢階級に応じて賃金が若干なりとも上昇していますが、正社員・正職員以外については、この年齢階級が高くなっても賃金上昇があまり見られないという結果が出ています。これは平成23年に限ったものではありませんが、非正規社員の増加とその賃金水準というのは大きな課題となっていることがわかります。

 昨日の当ブログで取り上げたとおり、非正規従業員の割合が35.2%にまで高まる中でこうした処遇が見られることは、再び同一価値労働同一賃金への議論の高まりに繋がっていくのではないでしょうか。


関連blog記事
2012年2月22日「雇用者に占める非正規従業員の割合は平成23年平均で35.2%と過去最高」
https://roumu.com
/archives/51912802.html

2011年12月27日「有期労働契約5年で無期労働契約に転換されること等が検討される有期労働契約の在り方」
https://roumu.com
/archives/51899783.html

2011年9月27日「厚労省から公表された今後のパートタイム労働対策の報告書」
https://roumu.com
/archives/51874543.html

参考リンク
厚生労働省「平成23年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2011/

(宮武貴美)

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