4月1日に変更された雇用保険の雇用継続給付の支給要件
育児休業や介護休業を取得する場合、無給となることが多いため、雇用保険の雇用継続給付制度の中に、休業の取得促進やその後の職場復帰を援助・促進することを目的とした育児休業給付制度・介護休業給付制度が設けられています。この制度では、休業開始日から起算した1ヶ月ごとの期間を「支給単位期間」と呼び、その期間中に要件を満たした場合に給付金が支給されることになっています。平成24年4月1日からこの要件が変更になったことから、本日はこの内容について確認しておきましょう。
そもそも、給付金が支給されるためには、以下の3つの要件を満たしている必要があります。
各支給単位期間の初日から末日まで継続して被保険者資格を有していること
各支給単位期間中に、全日にわたって休業している日(全日休業日)が、一定数以上あること
各支給単位期間中に支払われた賃金額が、休業開始時点の賃金月額の80%未満であること
このうち、の全日休業日については20日以上であることとされていましたが、この日数が改正され、「就業していると認められる日数が10日以下であること」とされました。この全日休業日とは日曜日や祝日等のような事業所の所定労働日以外の日も含むことになっています。したがって、支給単位期間の実日数(暦日数)が31日、30日、29日または28日の場合には、それぞれ全日休業日が21日、20日、19日または18日以上必要となります。なお、休業を終了した日の属する1ヶ月未満の支給単位期間については、1日でも全日休業があれば支給されることになっています。
育児休業や介護休業を取得している従業員でも、引き継ぎ等の関係でやむを得ず休業期間中に出勤してもらわざるを得ないことはありますが、その時にはこの支給要件も考えながらスケジュールを組む等の配慮が必要になるでしょう。
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参考リンク
東京労働局「育児・介護休業給付金の支給要件の取扱いの変更についてのお知らせ」
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0036/5589/ikujikaigohennkou.pdf
愛知労働局「雇用保険のしおり(平成23年10月)」
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/pamphlet_leaflet/roudouhokenkankei/koyohoken_siori.html
(宮武貴美)
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