[改正育児・介護休業法(5)]介護短時間勤務制度が変わります

 いよいよ寒さが本格化してきて、外出が億劫になってきたが、年内に改正育児・介護休業法の対応をせねばと思い、気合を入れ直す大熊であった。
前回までの記事はこちら
2016年11月14日「介護のための残業免除の制度が始まります」
https://roumu.com/archives/65759036.html
2016年11月7日「子の看護休暇・介護休暇が半日単位で取得できるようになります」
https://roumu.com/archives/65758285.html
2016年10月24日「介護休業が3回に分割して取得できるようになります」
https://roumu.com/archives/65756970.html
2016年10月17日「育児休業を取得できる有期契約の従業員の範囲が変更になります」
https://roumu.com/archives/65756109.html


大熊社労士:
 こんにちは。今日も介護休業等に関する内容について説明したいと思って伺いました。改正育児・介護休業法の話もかなり長くなってきましたが、細かな改正点が多いので、もう少しお付き合いくださいね。
宮田部長宮田部長:
 本当にいろんなことがあって、頭がこんがらがりそうですよ。でも、しっかり押さえておかないといけないので頑張りますよ、私!
大熊社労士:
 頼もしいですね(笑)。じゃ、遠慮なく少しややこしい話をしましょう。現在、確か御社で育児の時短を取っている方がいらっしゃいましたよね?
福島さん:
 ええ。育児休業から復帰した女性で1名、6時間の勤務にしている従業員がいますよ。
宮田部長:
 あぁ、給与の取扱いをどうするかとか、私が直接面談した覚えがありますよ。それがどうしましたか?
大熊社労士:
 はい。介護にも同様の制度が導入されているかと思います。
福島さん:
 確か、介護短時間勤務制度があったかと思います。同じく所定労働時間を6時間に短縮できるというものだった記憶があります。
大熊社労士:
 そうですね。今回、この制度が変わることになっています。と言うと誤解があるかも知れないので、もう少し前提となる事項から説明を加えたいと思います。この短時間勤務制度ですが、実は4つの制度から選択するものの1つになっています。その4つというのが、これから挙げるものになります。
所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)
フレックスタイム制度
始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ制度
労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度
宮田部長:
 へぇ!どれか選択だったんですね。でも、なぜ弊社が短時間勤務制度を導入しているんだろう?
大熊社労士大熊社労士:
 まぁ、理由は様々ですが、一番上にあって、厚生労働省が公開している規程例もまずは短時間勤務制度を載せているからかも知れません。短時間勤務制度を導入している会社が一番多いと思いますよ。
福島さん:
 そして、その制度が変わるのですよね?
大熊社労士:
 はい。変わるのは取得できる期間になります。現状は、介護休業と通算して93日となっていましたが、まずは介護休業とは切り離され、日数が3年間になります。さらに取得回数が2回以上となります。
宮田部長:
 現在の通算93日からするとかなり長くなるのですね。
福島照美福島さん:
 しかも2回以上取れるということなので、管理が大変そうですよね。大熊先生、この3年間で2回というのは、例えば来年の4月1日から短時間勤務を取りたいとなったら、ここから3年間をカウントして、その3年以内に2回は取れるようにするということですよね?
大熊社労士:
 はい、その通りです。例えば、来年4月から1年間短時間勤務を取り、その後、介護休業を1ヶ月取り、そこから残りの1年11ヶ月間短時間勤務を取るというようなことも可能です。あ、もちろん、3年間べたーっと短時間勤務を取るということも可能ですけどね。
福島さん:
 いろいろなパターンが出てきそうですね。
大熊社労士:
 確かにそうですね。あ、ちなみに育児の短時間制度は原則として6時間が選択できるように制度の設計をすることが求められていますが、介護の短時間勤務制度は、短縮できる単位が日にちでなくてもよいことになっています。具体的には以下の選択肢がありますよ。
1日の所定労働時間を短縮する制度
週又は月の所定労働時間を短縮する制度
週又は月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務や、特定の曜日のみの勤務等の制度をいいます。)
労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求することを認める制度
宮田部長:
 なるほど。いろいろな選択肢があるのですね。おそらく介護についても短時間制度を選択肢、その中でも原則として6時間が選択できるように制度すると思いますが、検討はしたいと思います。ありがとうございました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今回説明した「3年間、2回」というのは、最低限の期間および回数を示しています。「要介護状態が続く限り、何度でも」というような規定も考えられますので、制度設計時にはどの程度、会社として認めることができるのかを検討しておきたいものです。


関連blog記事
2016年11月14日「介護のための残業免除の制度が始まります」
https://roumu.com/archives/65759036.html
2016年11月7日「子の看護休暇・介護休暇が半日単位で取得できるようになります」
https://roumu.com/archives/65758285.html
2016年10月24日「介護休業が3回に分割して取得できるようになります」
https://roumu.com/archives/65756970.html
2016年10月17日「育児休業を取得できる有期契約の従業員の範囲が変更になります」
https://roumu.com/archives/65756109.html
2016年10月10日「育児介護休業規程(簡易版)の改正前後の内容が分かるwordファイル」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52115467.html
2016年9月28日「厚生労働省から公開された改正育児・介護休業法「平成28年改正法に関するQ&A」」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52114418.html
2016年9月6日「改正育児・介護休業法対応の規定例(簡易版)とあらましのダウンロードがスタート」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/2016-09-06.html
2016年8月3日「遂に公開された改正育児・介護休業法の参考資料」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52110344.html
2016年6月28日「厚労省から改正育児・介護休業法の概要リーフレットが公開されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52107710.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu