雇用危機以前の水準に下がりつつある大量雇用変動届の提出状況

大量雇用変動届の提出状況 厳しい経済状況の先行きはまだまだ不透明ではありますが、先日、厚生労働省から発表された「大量雇用変動届提出状況及び再就職援助計画・大量雇用変動届の提出に関する指導・相談件数について」を見ると、大量雇用変動届の提出件数は減少傾向にあり、雇用環境も若干落ち着いてきたことが想像される結果となっています。今日はこの発表について取り上げてみましょう。


 大量雇用変動届は、経済的事情その他の理由により、一の事業所において、1ヶ月以内に自己の都合または自己の責に帰すべき理由によらずに離職する者の数が30人以上になる場合に、提出しなければならないものです。平成22年6月の集計結果(速報値)を見ると、大量雇用変動届の届出事業所数及び離職者数は、事業所数が前月から36事業所減少、169事業所となり、離職者数が前月から4,998人減少、7,959人となりました。


 事業所数については、平成20年11月に200事務所を超えてから毎月200事務所を超える結果となっていましたが、やっと200事務所を下回る結果となりました。離職者数についても、同じく平成20年11月に10,000人を超えて以来、もっとも少ない数字となりました。



関連blog記事
2010年8月2日「雇用調整助成金の助成額上限の変更と新パンフレットのダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51766566.html

2010年6月28日「雇用調整助成金の助成額にも影響のある雇用保険基本手当日額 8月より引下げへ」
https://roumu.com
/archives/51753461.html

2009年9月25日「事業の大規模縮小による大量離職者発生の際に必要となる再就職援助計画」
https://roumu.com
/archives/51624916.html

2009年9月24日「1ヶ月の離職者が30人を超える場合に職安への提出が必要な大量雇用変動届」
https://roumu.com
/archives/51624906.html

2009年2月5日「再就職援助計画および大量雇用変動届の様式が2月1日より変更に」
https://roumu.com
/archives/51496647.html

2008年12月19日「人員削減をする際に忘れてはならないハローワークへの届出」
https://roumu.com
/archives/51470384.html


参考リンク
厚生労働省「大量雇用変動届提出状況及び再就職援助計画・大量雇用変動届の提出に関する指導・相談件数について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000grwv.html


(宮武貴美)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。


当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。