厚労省 継続雇用の基準制度廃止を含む高齢者法改正案要綱を提示
昨日(2012年2月16日)、厚生労働省で第50回 労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会が開催され、改正高年齢者雇用安定法案の要綱が示されました。以下、その概要を取り上げましょう。
[法改正の背景]
少子高齢化が急速に進展し、若者、女性、高齢者、障害者など働くことができる人全ての就労促進を図り、社会を支える全員参加型社会の実現が求められている中、高齢者の就労促進の一環として、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が定める基準に関する規定を削除し、高年齢者の雇用確保措置を充実させる等の所要の改正を行う。
[改正案のポイント]
継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止する。
継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大
継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大する仕組みを設ける。
義務違反の企業に対する公表規定の導入
高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設ける。
「高年齢者等職業安定対策基本方針」の見直し等
雇用機会の増大の目標の対象となる高年齢者を65歳以上の者にまで拡大するとともに、所要の整備を行う。
その他
・ 所要の経過措置を設ける。
[施行期日]
平成25年4月1日
今後、厚生労働省はこの要綱に基づき、改正法案を国会に提出することとなります。当ブログでは今後もその動向をチェックしていきます。
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2011年8月2日「高年齢者雇用安定法の全体像がよくまとめられた石川労働局のガイドブック」
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参考リンク
厚生労働省「第50回 労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000022toc.html
(大津章敬)
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