継続雇用制度の労使協定がない事業所における定年退職者の雇用保険離職理由は事業主都合扱いに

定年退職者の雇用保険離職理由 2010年12月17日のブログ記事「平成23年3月31日で終了する定年後の継続雇用制度の対象者基準に係る特例」では、平成23年3月31日で終了する継続雇用制度に関する特例を取り上げました。この特例の廃止により、「継続雇用制度」の対象基準を労使協定で締結せずに就業規則で定めている中小企業は、新たに継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準について労使協定を締結する必要があります。

 これに関連し、熊本労働局から「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条に係る経過措置の終了に伴う離職票の取扱い」と題するリーフレットが公開されています。このリーフレットによれば、通常、定年退職で離職票を発行する際には、その離職理由が「事業主都合にはよらないもの」として取り扱われますが、継続雇用制度の導入が適切に行われていない場合には、離職理由が「事業主都合」となることとしています。この取扱いは、定年に該当する高年齢者が継続雇用を希望していたか否かに関わらない取扱いです。各種助成金については、一定の期間事業主都合の離職ないことという理由が支給条件の一つになっていることもあり、継続雇用制度の導入が適切に行われていないことで、助成金の受給に影響が出る可能性があります。間もなくこの特例は終了します。まだ対応していない事業所に関しては早めに取り組む必要があります。

 このリーフレットは以下よりダウンロードできますので、ご利用ください。
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51059062.html


関連blog記事
2010年12月17日「平成23年3月31日で終了する定年後の継続雇用制度の対象者基準に係る特例」
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2010年8月18日「日本年金機構から公開された定年退職時以外の社会保険同日得喪の取扱い」
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2010年7月13日「社会保険同日得喪の適用対象範囲拡大による在職老齢年金への好影響]
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2010年7月12日「適用対象範囲が定年以外にも広がった社会保険の同日得喪」
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2010年4月2日「4月より改廃・新設された高齢者雇用に関する助成金制度」
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2009年11月07日「[ワンポイント講座]雇用保険と老齢年金の支給調整で勘違いしやすいポイント」
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2009年10月29日「増加する高年齢者の常用労働者数 今後は70歳までの雇用が焦点に」
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2009年8月26日「勤務延長と再雇用で大きな差が見られる継続雇用時の賃金設定」
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2009年8月24日「常用労働者のうちの60歳以上の労働者割合は1割に上昇」
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2009年5月6日「6月提出の高年齢者雇用状況報告書の様式が変更に」
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参考リンク
熊本労働局「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条に係る経過措置の終了に伴う離職票の取扱い」
http://www.kplb.go.jp/topic/topic_230317_1.pdf

(宮武貴美)

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