多くの企業で導入が進められる社内公募制度
先日、産労総合研究所より「ホワイトカラーのキャリア開発支援に関する調査」の結果が発表されました。この調査は、新規学卒者の配属やキャリア管理、各種キャリア開発対策などについて述べられていますが、今日はこの中から「社内公募・社内FA制度」の運用状況について見ていくこととしましょう。
多くの企業で社員の主体的なキャリア形成を進めることが大きな課題となっていますが、その対策の一つとして、社内公募制度や社内FA制度の採用が挙げられます。社内公募制度は「一定の応募条件を有する社員が公募により希望する仕事へ就くことのできる制度」、社内FA制度は「一定の資格条件を有する社員が希望する仕事へ異動交渉ができる制度」ですが、その実施状況は以下のようになっています。
社内公募制度(グラフはクリックして拡大)
実施している 31.0%
近い将来実施・検討中 13.9%
実施していない、今後も予定なし 49.2%
休止・廃止 5.9%
社内FA制度
実施している 6.5%
近い将来実施・検討中 13.6%
実施していない、今後も予定なし 78.8%
休止・廃止 1.1%
このように社内公募制度については半数に近い企業が実施もしくは検討をしているという状況が明らかになりました。実際の運用においては、希望がかなわなかった場合のモラールダウンや人材の特定部門への偏りなどが懸念されるところではありますが、人材のミスマッチの解消や社員のキャリア形成への意識の向上といったメリットも大きいことから、今後、より多くの企業での導入が進められることでしょう。
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2007年6月2日「キャリアの行きづまり」
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2007年5月20日「目まぐるしく変わる経営環境とキャリアパスの重要性」
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2007年2月19日「社員のプロフェッショナル化とその組織への影響」
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参考リンク
産労総合研究所「ホワイトカラーのキャリア開発支援に関する調査」
http://www.e-sanro.net/sri/ilibrary/pressrelease/press_files/sanro_p071015.pdf
(大津章敬)
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