パートタイマーの就業規則未整備に関する監督署の指導状況

 改正パートタイム労働法への対応が実務家の間で大きな話題になりつつありますが、今日はこれに関し、東京労働局が発表した「短時間労働者の労働条件の状況について」という調査結果を取り上げてみましょう。これは平成19年9月から10月の間において東京の管内18労働基準監督署において監督指導を実施した事業所のうち、短時間労働者を使用する348事業場における短時間労働者の労働条件の実態を把握した調査結果です。


 これによれば、短時間労働者に係る労働基準法等関係法令違反及び労働条件の指導(以下、「違反・指導」という)が認められた事業場が61.2%あったそうです。これは通常の労働者(以下、「正社員」という)の違反率(68.4%)よりは低い数値となっていますが、これは正社員においては39.4%の事業所で割増賃金に関する違反が見られたためであり、61.2%で違反・指導が行われているという絶対的な水準に注目する必要があるように思います。


 さて、この調査結果からは、正社員と比較した短時間労働者の問題点には以下の3点があることが見えてきます。
就業規則の未作成、就業規則の意見聴取を行う労働者代表の選出に当たって短時間労働者が過半数の算定に含まれていない等
就業規則等の未周知
年次有給休暇の制度がない


 これを見ると、そもそも制度自体の作成がないがしろにされている現状が垣間見えます。これらに加え、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に関し、有期労働契約の契約更新の有無およびその判断基準の明示の未実施の問題も少なからず認められており、今後の課題として「労働条件通知書の交付、就業規則の整備による労働条件の明確化が課題」としてまとめられています。


 来年の4月には改正パートタイム労働法が施行され、以上のような問題は更に重要性が増し、また労働基準監督署等による調査も増加が予想されます。4月の改正法施行に向けて、今から着実な対応が求められています。



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2007年11月2日「ダウンロード開始!平成20年4月改正パートタイム労働法対応モデル労働条件通知書」
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2007年9月21日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント4 苦情処理・紛争解決援助」
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2007年9月18日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント3 通常の労働者への転換の推進」
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2007年9月7日「平成20年4月改正 パートタイム労働法のポイント」
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参考リンク
東京労働局「短時間労働者の労働条件の状況について」
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2007/20071214-roudoujouken/20071214-roudoujouken.html


(宮武貴美)


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