新入社員から見た職場の人間関係は想像以上に良い?

新入社員から見た職場の人間関係は想像以上に良い? 昨年末、財団法人社会経済生産性本部から「第17 回 2007 年度新入社員 半年間の意識変化調査」が発表されました。この調査は、2007年度の新入社員1,000名弱の回答を元に作成されたもので、春に行った調査との対比もされていることから、入社後半年間の意識変化が分かる内容となっています。ここでは新入社員の職場のイメージやキャリアに関する興味深い2つの結果について取り上げましょう。



職場の人間関係はほぼ9割が「期待以上」か「期待通り」
 入社前後のイメージギャップに関する設問がいくつかある中で「期待以上」という回答がもっとも多かったのが「職場の人間関係のよさ」という項目です。実に35.8%が期待以上、47.9%が期待通りと答えています。上司や先輩の立場からは新入社員のコミュニケーションの欠如に悩むという話が非常に多いのが実態であり、非常に意外な結果ではないでしょうか。新入社員の受け入れ環境が整っているというよりも、そもそもの期待レベルが非常に低かったのではないかと疑りたくなる結果です。


今の会社に一生勤めようと思っている」という回答が急増
 ここ数年、回答のパーセンテージが上がり続けている質問に「今の会社に一生勤めようと思っている」とする設問があります。2004年の秋の調査では17.5%であったにも関わらず、今年の秋の調査では、34.6%とたった3年で倍増しています(画像はクリックして拡大)。就職氷河期であれば、「せっかく入社した会社なのでこの会社で一生頑張ろう!」と思うのは理解できるのですが、この超売り手市場の就職戦線の中で就職した今年の新入社員がこのように非常に保守的な回答をしているのは、不思議でなりません。


 どこかの年を境にして、新入社員の質やマインドが変化したのでしょうか。そうであるとすれば、その変化を早く察知し、彼らのマインドにあった人事施策を効果的に打ち出していく必要があるのではないかと思います。



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参考リンク
財団法人 社会経済生産性本部「第17回 2007年度新入社員 半年間の意識変化調査(要旨)」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mdd/activity000846.html


(宮武貴美)


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