2007年度の企業年金運用はマイナス9.74%

 アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに世界中の運用環境が悪化していますが、これはわが国の企業年金にも大きな影響を与えています。先日、格付投資情報センターが発表した企業年金の運用状況のデータによれば、厚生年金基金、企業年金基金、税制適格年金等の2007年度第4四半期(2008年1~3月)の収益率の平均はマイナス7.86%と急速に落ち込み、結果として2007年度通算(2007 年4月~2008年3月)のパフォーマンスもマイナス9.74%となったことが分かりました。


 2007年度の市場インデックス騰落率を見ると、国内株式がマイナス28.05%、外国株式もマイナス16.80%と大幅なマイナスとなっており、結果として企業年金の運用も急速に悪化しています。ここ5年ほどは運用環境も安定し、企業年金制度の積立不足問題も沈静化していましたが、この結果により再び総合型基金の財政悪化などが大きな社会問題になってくるのではないでしょうか。



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2008年1月25日「2007年4~12月の企業年金運用は遂にマイナス1.98%へ転落」
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2007年12月26日「加入者数が中退共に迫る確定拠出年金の運用状況」
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2007年10月28日「企業年金の2007年7月~9月の運用はマイナス2.77%」
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2007年10月6日「企業年金連合会 2006年度の修正総合利回りは5.59%」
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2007年4月12日「導入例が急増する規約型DBと企業型DC」
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参考リンク
格付投資情報センター「2007年度マイナス9.74%、5年振りマイナスへ、サブプライム問題に伴う金融不安、ドル安が打撃」
http://www.r-i.co.jp/jpn/news_topics/detail_pension/2008/jn0804.pdf


(大津章敬)


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