勤務問題による自殺者の動機のトップは「仕事疲れ」
先日、警察庁より「平成19年中における自殺の概要資料」が発表されました。この結果を見ると、平成19年の自殺者数は、男性23,478人、女性9,615人、合計33,093人という数値が出ています(グラフはクリックして拡大)。
自殺者数は、平成10年に年間3万人を超え、その後、高止まりをしています。この3万人という数は、交通事故で亡くなる人の約4倍もの数に相当しており、諸外国と比べてみても、日本の自殺率の高さは世界で10番以内に入ります。平成18年10月28日には自殺対策基本法が施行され、平成19年6月8日には自殺総合対策大綱の策定され、国を挙げて自殺対策に取り組んでいますが、まだまだ効果が得られていないようです。
自殺の原因・動機については、「健康問題」にあるものが14,684人、「経済・生活問題」が7,318人、「家庭問題」が3,751人となっていますが、これらに続き、「勤務問題」での自殺者が2,207人にも上っています。更に「勤務問題」による自殺者の詳細な動機を見ると、仕事疲れが672人となっており、職場の人間関係の514人を超えています。中央労働災害防止協会からは「職場における自殺の予防と対応」というパンフレットが出ており、職場のメンタルヘルス問題と自殺の関係を著し、職場での対策を推進していますが、自殺者数が増加している現状を踏まえ、再度、過重労働対策を含め、自社のメンタルヘルスに関する取り組みを見直しておきたいところです。
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参考リンク
警察庁「平成19年中における自殺の概要資料」
http://www.npa.go.jp/toukei/chiiki10/h19_zisatsu.pdf
厚生労働省「職場における自殺の予防対応」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/03.pdf
国立精神・神経センター 自殺予防総合対策センター いきる 自殺予防総合対策センター
http://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/
共生社会政策 自殺対策「自殺対策ホームページ」
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/index.html
(宮武貴美)
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