裁判員休暇の賃金取り扱い 9割の企業が「有給」と回答

裁判員休暇の賃金取り扱い 9割の企業が「有給」と回答 裁判員制度は来年5月よりスタートする予定となっていますが、この件に関して、労務行政研究所より「裁判員制度実施に向けた企業の対応調査」という資料が公表されました。これは同法人の「労政時報」の購読企業を対象に実施された調査ですが、これによれば裁判員の選任手続きや実際に裁判に参加するために社員が休務する場合に備えて、休務時の休暇付与や賃金の取り扱い等のルールについて、「すでに決定している」(「ほぼ決定している」場合を含む)が46.5%にも上ることが明らかになりました。また「今後検討する」は30.5%、「現在検討している」は21.8%となっています。


 さらに、休暇を付与した当日の賃金の取り扱いについては、「通常勤務時とまったく同じ(有給)扱いとする」が89.2%と大多数を占め、「休務した分は無給とする」企業は8.4%に止まっています(画像はクリックして拡大)。これは「労政時報」を購読している人事労務管理に積極的な企業の統計ですので、一般的な企業の平均像であるとは到底思えませんが、こうした先進的な企業の大多数が、裁判員休暇について有給取り扱いをしているという事実は、今後の制度設計にも大きな影響を与えることになるかも知れません。



関連blog記事
2008年8月13日「求められる裁判員制度導入に伴う特別休暇制度の検討」
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2008年4月16日「裁判員制度 平成21年5月21日にスタート」
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2008年1月21日「政令により裁判員辞退の申立てをすることができる事由が明らかに」
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2007年10月29日「裁判員制度の取扱いを既に決めている企業はわずか6.9%」
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2007年08月31日「平成21年度スタートの裁判員制度に対応する就業規則等の見直し」
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参考リンク
労務行政研究所「裁判員制度実施に向けた企業の対応調査」[pdf]
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/9684


(大津章敬)


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