統計で見る新卒社員の離職率はやはり「七五三」
新卒採用に関して「七五三問題」 という言葉があることをご存知でしょうか。これは中卒・高卒・大卒の新卒社員が、入社3年以内にそれぞれ7割、5割、3割離職するということを指した言葉です。この数字はイメージで語られていると思っている方が少なくないようですが、実はしっかりとした統計数字に基づくものなのです。厚生労働省職業安定局が毎年集計している「新規学卒就職者の在職期間別離職率」の最新データ(平成17年3月卒)を見ると、中卒の3年以上の離職率は66.7%、高卒で47.9%、大卒で35.9%となっており、概ね「七五三」となっていることが分かります(画像はクリックして拡大)。
中でも中卒に関しては入社初年度で45.3%と、ほぼ半数が離職するという驚くべき結果になっていますが、過去の推移を見ると大卒の離職率が大きく高まっていることが問題視されます。厚生労働省では平成62年からの統計を公表していますが、バブル末期の平成4年3月卒の3年以内離職率23.7%を底として、それ以降年々離職率が悪化しており、平成12年3月卒移行はほぼ35%を超える水準で推移しています。景気の後退により今後、新卒の就職環境は大きく変容することが予想されますが、新卒採用には非常に大きなコストが必要となるだけに、入社後の受け入れ態勢の整備が人事労務管理上大きな課題となっています。
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参考リンク
厚生労働省「データが語る若者のシゴト事情」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/wakachalle/situation/index.html
(大津章敬)
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