[雇用機会均等法]男女雇用機会均等法で禁止されている間接差別(2)
少し間が開いてしましましたが、本日は男女雇用機会均等法連載の2回目として、間接差別について取り上げてみましょう。性別による差別については、指針において「直接差別」「間接差別」に分類され、その事例が詳しく挙げられています。法律および指針では、間接差別を以下のように定義づけています。
性別以外の事由を要件とする措置であって、
他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものを、
合理的な理由がないときに講ずることをいう。
具体的には、「労働者の採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件とすること」、「コース別雇用管理における総合職の労働者の募集または採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること」、「労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること」が挙げられています。直接差別と比較し、どうしても基準があいまいになりやすい間接差別については、知らず知らずのうちに差別的取り扱いをしている可能性があります。運用の実態を確認し、間接差別になっていないかをいま一度、検証する必要があるかも知れません。
[参考条文]
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第7条(性別以外の事由を要件とする措置)
事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
同施行規則 第2条(実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置)
法第七条 の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとする。
一 労働者の募集又は採用に関する措置であつて、労働者の身長、体重又は体力に関する事由を要件とするもの
二 労働者の募集又は採用に関する措置(事業主が、その雇用する労働者について、労働者の職種、資格等に基づき複数のコースを設定し、コースごとに異なる雇用管理を行う場合において、当該複数のコースのうち当該事業主の事業の運営の基幹となる事項に関する企画立案、営業、研究開発等を行う労働者が属するコースについて行うものに限る。)であつて、労働者の住居の移転を伴う配置転換に応じることができることを要件とするもの
三 労働者の昇進に関する措置であつて、労働者が勤務する事業場と異なる事業場に配置転換された経験があることを要件とするもの
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参考リンク
厚生労働省「男女雇用機会均等法のあらまし」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/danjyokoyou.html
(宮武貴美)
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