常用労働者のうちの60歳以上の労働者割合は1割に上昇

 先日、厚生労働省より「平成20年高年齢者雇用実態調査結果の概況」が発表されました。この調査は「高年齢者の雇用状況を把握するとともに、改正高年齢者雇用安定法施行後の事業所における実態を把握することにより、今後の高年齢者雇用対策・就業対策に資すること」を目的に行われたもので、高年齢者の雇用状況に関する事項、定年制の状況に関する事項、定年制を定めている事業所における過去1年間の高年齢者の退職の状況に関する事項等の項目を常用労働者を5名以上雇用する事業所に聞いたものです。


 この調査結果によると、60歳以上の労働者を雇用している事業所割合は59.4%となり、前回調査の50.5%から10%近く上昇しています。そのうち、60~64歳の労働者を雇用している事業所割合は50.2%、65~69歳の労働者を雇用している事業所割合は26.9%、70歳以上の労働者を雇用している事業所割合は15.6%となっており、いずれも前回調査より上昇した結果となりました。このように高年齢労働者を雇用する事業所が増加している状況で注目しておきたいものが事業所の全常用労働者に占める高年齢労働者の割合ですが、60歳以上の労働者割合は10.0%となり前回調査の7.6%から2.4%上昇する結果となりました。


 今回の調査は、平成20年9月1日現在の状況調査したものであり、現在のような経済情勢になる前の数値ということができるでしょう。今回の不況が高年齢者の雇用状況に影響を及ぼしているのか、来年以降の数値が気になるところです。



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参考リンク
厚生労働省「平成20年高年齢者雇用実態調査結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/za/0820/d02/d02.pdf


(宮武貴美)


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