10月より変更される出産育児一時金の支給額と支給方法
昨日のブログ記事「平成21年版厚生労働白書 ダウンロード開始」では今年度の厚生労働白書について取り上げましたが、今回の厚生労働白書でも少子化問題は大きな課題として取り上げられており、2055(平成67)年には合計特殊出生率は1.26、人口は9,000万人を下回り、高齢化率は約4割、1年間に生まれる子どもの数は50万人を下回るという姿が示されています。このように出生率の改善や少子化対策は国を挙げての問題となっていますが、今日はその対策の一環として平成21年10月から変更となる出産育児一時金について改めて取り上げてみましょう。
出産育児一時金は、今年の1月1日に産科医療補償制度に加入している分娩機関で出産する等に対しては3万円が加算されており、多くの申請で38万円が支給されていますが、平成21年10月1日から平成23年3月31日までの間の出産に関しては暫定的な措置として、更に4万円の引上げが決定しており、結果として、多くの出産に対し42万円が支給されることになります。
また、平成21年9月までは、出産費用を一時的に被保険者が立替、原則として出産後に協会けんぽの各支部に申請を行うことで、出産育児一時金が支給される仕組みになっていましたが、平成21年10月からは、出産にかかる費用を立替えることなく、出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組みに変わることになっています(画像はクリックして拡大)。これにより、被保険者が出産にかかるまとまった費用を事前に用意し、立替える必要がなくなります。
なお、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額の範囲内であった場合には、その差額分を出産後、協会けんぽに請求することで差額分が支給され、また、出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額を超える場合には、その超えた額を医療機関等に支払うことで精算が行われます。対象は平成21年10月1日以降の出産からとなっています。
関連blog記事
2009年5月26日「出産育児一時金の引き上げが官報公告により正式発表」
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2009年4月2日「出産育児一時金 2009年10月より原則42万円に引上げ」
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2009年2月16日「育児休業期間中に次の子の産前産後休業が重なる場合の社会保険届出」
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2008年12月23日「改正国民健康保険法が成立 無保険の中学生以下の子女に対し6ヶ月の被保険者証を発行」
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2008年12月9日「平成21年1月1日より出産育児一時金が38万円に引き上げ」
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参考リンク
協会けんぽ「出産育児一時金の支給額と支給方法が変わります(平成21年10月から)」
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,24316,39.html
(宮武貴美)
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