3月より専門26業務の違法派遣に関する労働局の集中調査が実施されます

専門26業務の違法派遣に関する労働局の集中調査 このブログでは2009年12月31日のブログ記事「労政審 注目の改正労働者派遣法の答申を公表」を初めとして、労働者派遣法改正に関する情報を積極的に出していますが、先日、厚生労働省より専門26業務の派遣適正化のための指導監督を行うことなどを内容とした「専門26業務派遣適正化プラン」の策定・実施が発表されました。


 今回の改正労働者派遣法案には、違法派遣の場合には派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす旨の規定を設けることが検討されていますが、こうした動きの前提としては偽装請負をはじめとした様々な違法な派遣が多く見られるという実態があります。今回の適正化プランでは、派遣可能期間の制限を免れることを目的として、契約上は専門26業務と称しつつ、実態的には専門性がない専門26業務以外の業務を行っている事案に対する指導監督が行なわれることとなりました。


 具体的には3月から4月までの間を、専門26業務での労働者派遣の適正化に向けた集中的な指導監督期間として、専門26業務での労働者派遣の実績の多い派遣元事業主を中心に指導監督が行なわれます。中でも「事務用機器操作」と「ファイリング」についてはその解釈の留意事項が改めて示されていることから特に重点的な指導が予想されます。あくまでも派遣元への調査ではありますが、26業務での派遣を受けている事業所にも大きな影響があるのは間違いないでしょう。労働者派遣に関しては今後、その厳格化が進むのは間違いありませんので、この機会にその運用の適正化を進められてはいかがでしょうか。



関連blog記事
2009年12月31日「労政審 注目の改正労働者派遣法の答申を公表」
https://roumu.com
/archives/51673876.html

2009年12月21日「非常に労働者保護色の強い労働者派遣法改正法案の部会報告骨子」
https://roumu.com
/archives/51669388.html

2009年12月12日「[ワンポイント講座]労働者派遣における「複合業務」の派遣受入期間の取扱い」
https://roumu.com
/archives/51664573.html

2009年8月19日「[ワンポイント講座]派遣先が派遣社員に対して時間外労働を命じる際の留意点」
https://roumu.com
/archives/51604648.html

2009年5月25日「平成21年10月より厳格化される一般労働者派遣事業許可基準」
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/archives/51554634.html

2009年5月5日「労働者派遣に関する最重要資料「労働者派遣事業関係業務取扱要領」が更新」
https://roumu.com
/archives/51544136.html


参考リンク
厚生労働省「期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣への厳正な対応(専門26業務派遣適正化プラン)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000048f3.html


(大津章敬)


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