4月より変更されている雇用調整助成金における教育訓練の申請方法
今回の雇用危機において、雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)が雇用維持に大きな貢献を果たしてきましたが、2010年3月31日のブログ記事「雇用調整助成金の不正受給調査が4月から強化されます」でも取り上げたように、厚生労働省より労働局等による実地調査等の結果、52事業所、約1億9,350万円を不正受給として処分し、支給した助成金の返還と不正後3年間の助成金の不支給措置を行ったとの発表がありました。
これを受けて4月より雇用調整助成金の申請の方法が変更となり、教育訓練を実施する際の取扱いが大きく変わりました。具体的な取扱いについて以下のとおりとなります。
計画届を提出する際の注意点
教育訓練を実施する場合、計画段階においても個人別日別の計画一覧表を添付する必要があり、今後は新様式「計画一覧表(様式第1号(3))」を併せて作成することになります。これにより会社としては、詳細な教育訓練の計画を立てる必要があります。
計画届の内容が変更になった場合の注意点
かつては申請に関する手続きの簡素化を図るために、教育訓練の日数や受講者が減少した場合、変更届を提出する必要はありませんでしたが、今後は教育訓練について、計画の範囲内で減少する場合も含めて変更の都度、変更届を提出することになります。なお、以前に引続き、労使協定の変更を伴わない限りFAXやメール等での送付も可能とされていますが、この場合、変更届が届いているかを電話によりハローワークや労働局へ確認しておくことが望まれます。
事業所内訓練を行う場合の取扱い
事業所内訓練を行う場合、訓練日ごとに各受講者にアンケートやレポート等を必ず作成し、支給申請時に添付する必要があります。様式については任意とされていますが、この書類が提出されない場合には助成金の支給対象とならないため注意が必要です。そのため、会社としては毎回アンケート等を実施して、必ず全員に提出させる必要があります。
申請様式の変更
多くの申請様式が4月より変更されているため、早めに新しい様式に差し替えておきましょう。
併せて、同じく4月より助成金を受給している事業主に対する実地調査が強化され、休業等を実施した労働者の一部に対して、電話によるヒアリングが実施されることになりました。そのため会社としては、改めて制度の趣旨を確認した上で、助成金を活用していくことが求められます。
関連blog記事
2010年4月8日「平成22年4月より教育訓練の実施に係る取扱いを変更(雇用調整助成金)」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/50843410.html
2010年3月31日「雇用調整助成金の不正受給調査が4月から強化されます」
https://roumu.com
/archives/51715834.html
2010年1月25日「雇用調整助成金を1年を超え、引続き申請する場合の注意点」
https://roumu.com
/archives/51687759.html
2009年12月17日「雇用調整助成金を新規もしくは13ヶ月目に申請する際の添付書類の注意点」
https://roumu.com
/archives/51667504.html
2009年12月11日「12月に要件緩和された雇用調整助成金の最新リーフレット ダウンロード開始」
https://roumu.com
/archives/51664654.html
2009年12月8日「[速報]新緊急経済対策における雇用対策の概要」
https://roumu.com
/archives/51664028.html
2009年12月03日「雇用調整助成金の生産量要件が緩和されました」
https://roumu.com
/archives/51660362.html
参考リンク
厚生労働省「雇用調整を行わざるを得ない事業主の方へ」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a-top.html
厚生労働省「雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金の様式ダウンロード」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/a04-1.html
(福間みゆき)
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