3割を超える女性正社員の育児短時間金制度利用

3割を超える女性正社員の育児短時間金制度利用 先日、厚生労働省から平成23年度厚生労働省委託調査である「平成23年度育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書」が発表されました。この調査は改正育児・介護休業法の全面施行を前に、同法の普及状況およびその影響等について把握することを目的とし、平成24年2月から3月に実施されたもの。労働者および事業主を対象に、改正によって新設及び拡充された制度の整備・利用状況等を含め、実態を把握した内容となっています。

 その内容は「改正育児・介護休業法への対応状況」や「改正育児・介護休業法への対応方針や推進方法」など、企業における対応状況がわかるものとなっていますが、その調査項目に所定外労働の免除、短時間勤務制度、子の看護休暇制度の利用状況がありますが、中でも短時間勤務制度は、正社員の女性で31.7%が利用経験あり(利用中含む)としており、18.5%の所定労働時間の免除の利用と比較して、利用度の高い制度になっています。

 現行の法律では、短時間勤務制度は3歳に満たない子を養育する労働者に対する措置となっていますが、制度の利用を希望する期間は、小学校にあがるまでや小学生の期間についても短時間勤務制度の希望が高くなっています。これには3歳以降も育児が大変であったり、小学生であってもなるべく子どもと一緒に過ごす時間を増やしたいといった思いがあるからだと想像できます。なおその他、働き続けるために現在の勤務先・職場に改善を希望する項目では、正社員の女性がもっとも希望することは、41.6%で「勤務時間の柔軟化」となっています。

 平成24年7月1日に改正育児・介護休業法が全面施行となり、育児関係については、育児休業のほか、原則として以下の5つの制度の導入が全事業主に対し義務付けられるようになりました。
 ①子の看護休暇
 ②所定外労働時間を免除する制度
 ③時間外労働を制限する制度
 ④深夜業を制限する制度
 ⑤所定労働時間を短縮する制度(短時間勤務制度)

 ワークライフバランスの推進を進めている企業も増えてきていると思いますが、従業員の要望を考えつつ、それを実際に企業に取り入れることのできる企業を目指す必要性が高まりつつあります。


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参考リンク
厚生労働省「平成23年度育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書(平成23年度厚生労働省委託調査)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/h23_itakuchousa.html

(宮武貴美)

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